研究課題/領域番号 |
23660024
|
研究機関 | 東邦大学 |
研究代表者 |
近藤 麻理 東邦大学, 看護学部, 教授 (70325413)
|
研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
|
キーワード | オープンソース / 国際看護学 / 教材開発 / オープンエデュケーショナルシステム / オンライン教育 |
研究概要 |
オープンサイトの教材開発手法の可能性を探索するために、まず初年度はウェブサイトを立ち上げ、国際看護学の初期教材作成の準備と作成をおこなった。初期教材作成には、海外での看護や保健等の最新情報と現場の写真等が必要であるため、関係する大学や病院等の協力を得て視聴覚教材を日本語での解説を入れて作成した。日本看護科学学会(高知12月)では、自由集会を主催し本研究の意義や今後についての一部を紹介し好評であった。また、医学書院主催のナーシングカフェ(12月10日、1月28日、3時間半)において、参加型講義を国際看護学を題材として2回の講演をおこない、国際看護に関心ある100名を超える教育関係者に対して、本研究で作成した初期教材の内容を実際に利用して実施した。その際、SHARPと共同開発している電子黒板(BIGPAD)とPC(ガラパゴス)、トーキーシステムのオンライン教育システム等を連動させ、いつでも手軽に誰でもが国際看護学の教材にアクセスできる環境(新しい教育のあり方)を提供できることが示唆された。現在までの初期教材開発を進めていくにあたり、言語を英語等に置き換えることも将来的には可能であり、日本人向けのみの教材ではなくアジアや世界の看護学生・教員や関心の高い人々が自由にアクセスする可能性にまで発展することがわかり、本研究の重要性はさらに高まったと言える。日本の若者が内向きと言われる中で、国際的な視点を重視した教育実践は必須であるが、新しい科目あるいは国際的な科目を教えられる教員をすぐに養成することは困難である。時代の要請にスピード感をもって対応するためにも、欧米で注目されてきたオープンエデュケーショナルシステムを限られた施設内だけでの利用から、いつでもどこでも誰にでもオープンにすることの重要性が明らかになる意義ある研究であると言える。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
サイト開設にあたり、原則オープンソースとして資料等を自由に利用してもらうため、初期教材の質の確保が重要であることから、当初の予定よりも1カ月程度の研究協力者との検討時間が必要である。さらに、本研究の初期教材はオープンソースとして利用することが前提であるが、著作権の問題等についての検討も、将来的な多言語利用による世界への展開を考慮すると必要ではないかと考えたためである。これらは、研究協力者ならびにICTの専門家などの意見をまとめて、今後早急に進めていく。
|
今後の研究の推進方策 |
初期教材のウェブサイトへのアップロードと、ウェブサイトを使用したうえでの不具合などの確認と修正を行なう。順次新しい教材を継続してアップする。さらに、教育関係者への周知を図り、利用者登録機能を作成したうえで個人情報等の扱いにも配慮しアンケート調査等を行なう。これらの結果は、日本看護科学学会、日本国際保健医療学会、ICN国際学術集会などで広く看護教育者や関係者に報告する。また、本研究で作成した教材を実際に使用した教育実践方法を、継続して企業などの協力を得ながら産学共同で教育関係者に提供していく。将来的に、多言語によるオープンエデュケーショナルシステムを開発することも視野に入れて進める。
|
次年度の研究費の使用計画 |
平成23年度に予定していた日本国際保健医療学会の開催地が東京大学であったため、旅費等は使用せず83,205円の繰越金が発生した。これについては、本年度に開催される日本国際保健医療学会、開催地は岡山大学での本研究の発表のために使用することとした。ウェブサイトの維持・運営の費用が必要である。関係者との打ち合わせのための国内旅費が必要である。国際学会に提出する抄録の英文翻訳費が必要である。
|