研究課題/領域番号 |
23660024
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研究機関 | 東邦大学 |
研究代表者 |
近藤 麻理 東邦大学, 看護学部, 教授 (70325413)
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キーワード | オープンソース / 国際看護学 / 教材開発 / オンライン教育 |
研究概要 |
オープンサイトの教材開発手法の可能性を探索するため、本年度はウェブサイト上にアップする国際看護学の初期ではなく完成品となる教材作成を行なった。初年度に収集した写真や資料を利用し、実際に講義で教員が使える内容とするために教育実践者や研究者らと内容を評価し検討した。教材作成においては、特に写真などの選定とデザインに時間が必要となった。本研究では、その成果の一般化と教育への普及は、研究者のみではなく企業との連携が重要となる。そのため引き続き、昨年、実証実験を行なったSHARPとトーキーシステムとの連携を模索するため会議を実施した。将来的には、オンライン教育システムとの共同開発も視野に入れ研究を進めることは意義のあることである。 企業とのコラボレーションについては、医学書院の協力も得ていたが、本年度は教材ビデオ制作の企業に対して、国際看護学のDVD作成への指導・助言を行なった。この経験により、従来のDVD作成と普及には限界があり、本研究のオープンサイトの探索は急がれる緊急の課題であることが明らかとなった。また、今後は、従来のビデオ映像等をどのようにオープンサイトに取り込んでいくかについての検討も必要であることがわかった。 本年度の成果としては、看護系雑誌「看護教育」に、「大学教育の質保証を考える」と題して教育の質とオープンコースウエアの重要性について述べた。また、次年度の看護の国際学会での英文での発表を準備した。海外の研究者とも連絡を取り、次年度の国際学会での情報交換と成果報告を約束した。次年度の8月と10月に、医学書院においてナーシングカフェを開催し、日本各地の看護教員を対象とした国際看護学の参加型教育手法の授業に関する講演を行なうことが決定した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ウェブサイトを立ち上げた後に、教材開発の段階での使いやすさや内容の検討には時間を要することとなった。 しかし、当初の予定では考えてもいなかった、特にICT関係の多様な企業との出会いにより、会議を開き本研究の成果を将来的にどのように活用できるかについて共同で検討・研究できていることは、当初は予想していなかったため計画以上に発展的に進んでいると言える。
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今後の研究の推進方策 |
開発した教育教材をウェブ上にアップしていき、ウェブサイトを使用したうえで不具合などの確認とより質の高い使いやすいバージョンを作り上げていく。そのため、本年は行なわなかった修正と改善を、最終年度である次年度にまとめて集中的に行なう。 実際に教育現場で授業に活用してもらい、アンケートへの協力を積極的に促す。 最終年度であることから、本研究の成果を国際学会等で発表し、海外の研究者と情報交換と成果報告を行なう。8月と10月には、日本各地の看護教員を対象とした国際看護学の授業シミュレーションを行ない普及と公表に努める。
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次年度の研究費の使用計画 |
本年度は、微細なウェブサイト修正を繰り返し無駄な出費を控えた結果、大幅な繰越金が発生した。これについては、最終年度に集中して、ウェブサイトの最終的な完成を目指すためであり、最も効率的な予算使用になるよう配慮したためである。 国内学会(日本国際保健医療学会:沖縄、日本看護科学学会:大阪等)での発表、国際学会発表と教材資料・情報の収集(タイ、韓国、オーストラリア)への出張費用を計上する。 研究補助として、大学院生2名の雇用を行なう。
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