研究課題/領域番号 |
23660026
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研究機関 | 新潟青陵大学 |
研究代表者 |
中村 悦子 新潟青陵大学, 看護福祉心理学部, 教授 (60367422)
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研究分担者 |
鈴木 宏 新潟青陵大学, 看護福祉心理学部, 教授 (20091704)
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キーワード | 外国人看護師候補者支援 |
研究概要 |
外国人看護師候補者の受け入れ施設の準備状況に合わせながら、平成24年3月27日~平成25年1月16日の間、「eラーニング」「ポートフォリオ評価」「Skype」を用いた支援を実施した。対象者は、三之町病院(新潟):1名、富士見医療福祉センター(長野):3名、東京厚生年金病院(東京):1名、合計3施設5名のインドネシア人であった。支援体制参加大学は、了徳寺大学(東京)、佐久大学(長野)、新潟青陵大学(新潟)であった。 「ポートフォリオ評価」はゴールシート、目標シート、インパクトシートをファイルに綴じ説明を加え渡した。ゴールは5名とも「国家試験に合格し、日本で看護師として働く」であった。月ごとに行動目標をたて、3ヶ月ごとを目安に担当教員による面接を行った。面接時の内容は、①目標達成度②インパクトシートの内容③学習状況④仕事の状況⑤生活状況などであった。結果だけでなく、努力している姿勢を認め、次のステップにどのように臨むか、意思の確認やアドバイスを行った。1施設の1名の外国人について、国家試験に向かう動機付けが曖昧で、支援が難航した。施設、個人の差はあったが、多くは良い反応であった。日本の文化、日本の医療・看護、インドネシアの医療・看護について、双方が理解を深めることができた。 「eラーニング」は医学書院の「看護師国家試験問題WEB法人サービス」を利用した。面接時に一緒に問題を開き、問題、回答の理解について補足説明をした。また、Skypeを使い、問題の共有、達成度について確認していった。 平成24年8月4日、新潟青陵大学で実践報告会を開催した。佐藤みつ子(了徳寺大学)、尾崎フサ子(佐久大学)、中村悦子(新潟青陵大学)、南雲秀雄(新潟青陵大学)の計4名の参加者であった。研究目的、方法に沿い、各施設での実施状況を確認した。概ね、順調に経過していた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
(理由) 国家試験結果は対象者の5名中、1名のみの合格であった。施設により取り組み環境に差があり、また、国家試験に臨む意欲についても個人差があると感じた。支援の方法について課題を残したが、インタビュー調査が、現在進行形であり、結果、まとめについて次年度に送ることになる。実施状況については、1施設(1名)を除き、概ね順調に経過している。三之町病院においては、インドネシア人1名。面接指導は、平成24年の6月、8月、9月、11月、平成25年1月の5回行った。Skypは年3回、メールを併用しながら担当者とのやり取りがあった。国家試験に合格した。東京厚生年金病院においては、インドネシア人1名。オリエンテーション時の反応は良かったが、面接指導は、連絡がなかなか取れず経過し9月の面接に至った。目標の確認と中間評価を行ったが、国家試験に向かう学習姿勢は曖昧で、勤労意欲も消極的であった。国家試験不合格となり帰国した。富士見高原医療福祉センターにおいては、インドネシア人3名。受け入れ施設では、専任の指導者が付き、恵まれた学習環境であった。面接指導は平成24年7月、9月(佐久大学)、12月の3回実施した。Skypeは4月から11月まで7回交信し、友好的に進めることはできた。国家試験は3名とも不合格であった。3名とも日本に残留し来年の受験を目指す。支援のフォロアップは続行する。 2.インタビュー調査 平成25年3月中旬より、1年間の外国人看護師候補者、ならびに看護師支援者の取り組み状況と成果に関するインタビュー調査を開始した。インタビューを通して、外国人候補者の成長報告も兼ねながら実施した。インタビュー内容は①日本の生活の適応と成長②学習取り組み状況(プログラム)③効果的な学習方法④日本での看護職としての協働意識④自分の将来像などその他、である。現在進行中である
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今後の研究の推進方策 |
1.研究成果としてインタビュー調査を実施する。平成25年3月~5月。第一段階:調査目的・対象:外国人看護師候補者が抱える日本の生活・仕事・学習上の課題(問題)と効果的な学習方法について明らかにする。外国人看護師候補者5名。第二段階:調査目的・対象:看護師支援者の外国人看護師候補者の学習支援に関わる課題(問題)と効果的な学習方法について明らかにする。看護師支援者7名。第三段階:調査目的・対象:外国人看護師候補者を受け入れている看護管理者の課題と効果的な支援方法について明らかにする。看護管理者5名。第四段階:調査結果を質的に分析する。ICコーダーで録音したテープの内容を起こし、意味ある文脈を抽出し、コード化し、カテゴリー化していく。また、テキストマイニング法を用いて客観的に分析する。2つの手法を用いて分析、検討する。 2.研究論文としてまとめる。 効果的な教育支援システム構築に向け、インタビュー者のそれぞれの立場の視点から、メリット、デメリットを明らかにし支援方法について考察する。また、その背景にある、EPA導入に関わる支援システムについても検討する。研究補助資料として「日本の看護師の異文化受容態度」について、アンケート調査した結果(平成24年11月~12月にアンケート調査を実施した)を活用する。外国人看護師候補者を支援していく上で、文化の違いを考慮に入れる必要がある。外国人看護師候補者受け入れ施設と受け入れていない施設とを比較検討し、日本の異文化受け入れに関する土壌についても理解を深め考察していく。 3.調査結果を学会発表及び学術誌へ投稿する。 4.国家試験不合格であった外国人看護師候補者のその後の学習状況や業務状況についてフォロアップ訪問面接指導を実施する。また、合格した外国人看護師候補者についても、その後の業務の適応状況について観察し、フォローしていく。
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次年度の研究費の使用計画 |
1.インタビュー調査にかかる費用:出張費、宿泊費。三之町病院、東京厚生年金病院、富士見高原医療福祉センター。資料及びコピー費。事務用品。謝金。2.調査結果の分析にかかる費用:テープ起こし代金。データ整理のためのアルバイト料。3.調査研究の解析・まとめのための検討会にかかる費用(4回/年・新潟青陵大学):出張費。会議費。データ解析のためのスーパーバイズ費。通信費。4.学会発表、交流集会参加にかかる費用:出張費、宿泊費、参加費(国際学会:2名、国内学会:4名)。ポスター作製費用。*国際学会は〝The International College Psychosomatic Medicine"(in Lisbon)、国内学会は日本看護科学学会(大阪)。5.フォロアップのための訪問面接指導(富士見高原医療福祉センター・三之町病院:3~4回/年)にかかる費用:出張費、宿泊費。6.研究報告書作成にかかる費用:USB・事務用品、印刷代金など。報告書作成のための会議費。 7.効率的運営のための物品購入:携帯用プロジェクター、タブレットパソコン購入費。
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