研究課題/領域番号 |
23660032
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
宮下 光令 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (90301142)
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研究分担者 |
塩飽 仁 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (50250808)
深堀 浩樹 東京医科歯科大学, 保健衛生学研究科, 准教授 (30381916)
木下 里美 (高野 里美) 神奈川県立保健福祉大学, 保健福祉学部, 講師 (60315702)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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キーワード | 終末期ケア / がん看護 / クリニカル・パス / 看護師 |
研究概要 |
平成23年度は英国で開発された看取りのクリニカル・パスであるLCP(Liverpool CareのPathway)の日本における実施可能性について検討した。(1)一般病院に関しては既に医確定している日本語版LCP病院バージョンの実際の使用例に対するバリアンス分析を20例に対して実施した。(2)在宅に関してはLCP在宅バージョンのパイロットスタディを2か所の訪問看護ステーションにおいて終末期がん患者10人に対して試行し、LCP在宅バージョンを確定した。(3)高齢者施設に関してはLCPの高齢者ケア施設への適用可能性について3か所の高齢者ケア施設で看護師5名、介護職員5名に対して既に死亡した患者へのLCPの後ろ向きの適用後にインタビュー調査を行った。(4)小児バージョンに関しては英国のLCP小児バージョンの日本語訳について検討するとともに、小児専門病院に勤務する看護師3名に対して既に死亡した患者へのLCPの後ろ向き適用後のインタビュー調査を行った。(5)ICUバージョンに関しては英国のLCPのICUバージョンの日本語訳について検討するとともに文献検討によりわが国へ適用する際に修正が必要な点を抽出した。(6)急性期緩和ケアの症状コントロールと早期退院のクリニカル・パスに関しては緩和ケア病棟から自宅退院した患者117人の診療記録調査を行い、その分析に基づき急性期症状緩和と早期退院パスウェイを試作し、20人の患者を対象にパイロットテストを行った。次年度はより対象数を拡大して調査を継続し、それぞれのケアの場における看取りのクリニカル・パスの日本における実施可能性を検討し、日本の終末期ケアの即した看護師主導型クリニカル・パスを作成する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初は1年目に日本語版の看護師主導型のクリニカル・パスを作成する予定であったが、文献レビューや専門家の意見などから海外のクリニカル・パスの日本における適用可能性を丁寧に検討するべきことが判明し、後ろ向きの看取りのクリニカル・パスの適用やインタビュー調査を行った。そのため、1年目に確定したクリニカル・パスは在宅バージョンと急性期症状緩和と早期退院のパスに留まった。また、在宅バージョンの分担研究者が研究者資格がなくなったため分担を降り、そのフォローに時間を費やした。調査自体は順調に進行しているため、2年目には予定通り日本の終末期ケアに即した各種の看護師主導型クリニカル・パスのパイロットバージョンが全て確定できると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
平成24年度はそれぞれのクリニカル・パスについて文献検討、実際の死亡患者への適用、使用する看護師や介護職員へのインタビューなどを継続し、各種の看護師主導型クリニカル・パスのパイロットバージョンを確定する。当初予定していた診療記録調査は当初の申請額が大幅に減額されたことを受け、規模を縮小する予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度の研究費使用額については、今年度の研究費の繰り越し分は今年度の研究を効率的に推進したことに伴い発生した未使用額であり、平成24年度請求額とあわせ、次年度に計画している研究の遂行に使用する予定である。
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