研究課題/領域番号 |
23660035
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
荒尾 晴惠 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (50326302)
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研究分担者 |
田墨 惠子 大阪大学, 医学部附属病院, 看護師長 (80572312)
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キーワード | 経口抗がん剤 / 投与管理能力 / アドヒアランス / コンプライアンス / がん患者 |
研究概要 |
本研究の目的は、経口抗がん剤を服用する患者の看護において必要とされる患者の生活に即した投与管理能力の要素を明確にし、投与管理能力に即して継続的に経口抗がん剤治療が行える看護実践プログラムを開発すことである。平成24年度は、看護師側が経口抗がん剤治療をする患者の投与管理能力支援に必要な要素をどのように捉えているのかを明らかにし、投与管理能力のアセスメント指標を作成することであった。 1.海外の経口抗がん剤の服用に関する教育ツール作成者へのインタビュー調査をMASCC(Multinational Assosiation for Supportive Care in Cancer)の教育研究委員会、委員長のSultan Kav氏(Baskent University Faculty of Health Sciences, Department of Nursing,Ankara, Turkey)に行った。患者への教育ツールの紹介を受けた。MONATT(MASCC Oral Agent Teacheng Tool)は、アセスメント、患者教育、特定の薬剤に対する教育、評価から構成されており、アセスメントの項目は本研究の看護実践プログラムに活用が可能な内容であった。 2.国内のがん化学療法看護の専門家5名への調査 対象者が所属する施設での患者教育の内容について明らかにした。製薬会社が作成したパンフレットの使用が主であり、独自のパンフレットの使用はしていなかった。患者の投与管理能力については、化学療法中の患者のセルフケア能力をもとに服薬のアドヒアランスをアセスメントしていることが明らかになった。経口抗がん剤服用中の患者に対する投与管理に関しての指導はほとんど行われておらず、患者と家族に任せられていることが、調査から明らかになった。 次年度は、看護実践プログラムを完成させ、介入を行っていく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成24年度は患者側、看護師側双方から抽出された要素から投与管理能力のアセスメント指標を作成することであった。国内の専門家以外にも海外の専門家の意見を聞き、アセスメント指標がほぼ明確になった。専門家とともに内容妥当性の検討を行うという点は、看護の専門家には行うことができたが、薬剤師、医師等にも内容妥当性を確認する必要があると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
患者の経口抗がん剤投与管理能力のアセスメント指標を看護師以外の薬剤師、医師に妥当性を確認したのち、看護実践プログラムとして完成させる。その後事例に適応する。
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度の研究費の使用は、備品の購入予定はなく、調査と研究協力者との会議、成果発表のための交通費、エキスパートへの謝礼、データ処理捕助者へのアルバイト謝金等である。
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