研究課題/領域番号 |
23660036
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
市原 多香子 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 准教授 (10274268)
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研究分担者 |
田村 綾子 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (10227275)
桑村 由美 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教 (90284322)
南川 貴子 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教 (20314883)
船木 真理 徳島大学, 大学病院, 特任教授 (10467821)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 2型糖尿病 / 個人指導 / 介入 / 出張 / 勤労者 / 看護職 |
研究概要 |
本研究では、病院の看護職が中心となって職場に出張し、2型糖尿病患者に対して生活スタイル是正プログラムによる介入を行う「出張型患者指導モデル」を開発することである。このモデルの開発は、新しい医療体制の構築を目指すもので意義があると考える。介入プログラムの特徴は、病院の専門職チーム(看護師・医師・管理栄養士)による指導と、継続した生活振り返り面接を組み入れている点である。 本年度は、学会参加と文献検討により十分検討を重ね、血糖コントロールに必要な基本的情報を精選した生活スタイル是正のためのパンフレットを作製した。さらに介入の評価方法の検討を重ね、評価項目として身体計測と血液検査、行動変容、運動習慣、食習慣の指標を用いることとなった。 次に介入開始にあたっての、企業選定および患者選定や倫理審査委員会申請書類の準備を行うことができた。 さらに参加希望のあった対象者に、看護師・医師・管理栄養士のチームによる介入プログラムの実施を開始した。介入前に評価を行ったのち、介入プログラムを開始した。介入プログラムの内容は、講義+パンフレットを用いた指導+1年間の継続した個人指導とした。現在は約3か月が経過したが、脱落者が出ていない状況である。しかし効果判定指標である血糖コントロールの改善を維持できない参加者も見られるため、段階的に自己血糖測定による指導を検討中である。また血糖値が改善された事例および血糖値が改善が難しい事例の検討を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度はまず専門職の意見を集約し情報を厳選したパンフレットを作成することができた。次に対象者は若干名であるが、介入研究をスタートすることができ、現在3か月間の生活指導を継続できている。 一方対照群に対する介入はこれからであり、参加者を現在募集中である。また当初の選定基準「発症間もない患者」に該当する参加者が集まらず、対象者の選定基準をやや拡大し研究を開始することとなったことから、判断はおおむね順調とした。
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今後の研究の推進方策 |
対照群の参加者を継続募集中で、現在企業と交渉中である。対照群には、介入群と異なる個別指導を除くプログラムを(一斉講義1回とパンフレットを配布、希望者に万歩計配布)を提供予定である。 介入群には、H23年度に引き続き個人指導を7か月間継続する。さらに介入群には、介入プログラムの実用可能性について評価するため、介入3ヶ月後・6ヶ月後・1年後・終了6ヶ月後の計4回の評価を行う予定である。対照群には介入1年後と終了6ヵ月後の合計2回の効果判定を行う予定である。身体計測値、血液検査、目標達成状況、行動変容などの指標によって評価する。
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次年度の研究費の使用計画 |
当該研究費が生じた理由は、H23年度に実施予定だった国内視察が23年度以内にできなかったためである。現在も視察の交渉中である。H24年度にはカルナプロジェクトを展開している九州大学を訪問し、疾病管理における看護職の役割について視察・調査する(田村、船木、市原、研究協力者1名)予定である。 翌年度以降に請求する研究費とあわせた使用計画について 講義や面接日程などを調節するための指導専用のパソコンを購入予定である。引き続き24年度も介入群に対する介入を継続するための旅費、指導・身体計測・採血関連の消耗品に使用予定である。さらに対照群への調査も開始予定であるため、同様に旅費、指導・採血・身体計測関連の消耗品が必要となる。また介入群の事例検討を行い、国内発表を予定している。 本研究の評価および個別指導に協力してもらっているため、研究協力者を1名追加する。徳島大学病院 糖尿病対策センター 技術補佐員 西村美穂さん
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