研究課題/領域番号 |
23660036
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
市原 多香子 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 准教授 (10274268)
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研究分担者 |
田村 綾子 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (10227275)
桑村 由美 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教 (90284322)
南川 貴子 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 准教授 (20314883)
船木 真理 徳島大学, 病院, 特任教授 (10467821)
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キーワード | 2型糖尿病 / 個人指導 / 介入 / 勤労者 / 医療チーム / 看護師 / 職場 / 行動変容 |
研究概要 |
職場における2型糖尿病患者の生活習慣を改善するため、病院の医療チームを職場に派遣する介入研究を行った。この教育プログラムには医師・看護師・管理栄養士が講義を行い、その後定期的なサポートを1年間継続する。 介入研究を許可された県内2企業において研究参加者を募集した。募集基準は2型糖尿病のため治療中の患者とした。プログラム内容は、初回に多職種(医師・栄養士・看護師)による講義と、看護師・栄養士を職場に派遣にして短時間の面接によるサポートを実施した。参加者全員に歩数計、講義内容をまとめた冊子、食品交換表を配布した。面接では参加者が食生活・活動について具体的な行動目標を設定し、実施状況を振り返った。プログラムの開始前、その後3か月ごとに採血(HbA1c)、身体計測(体重・腹囲・体脂肪率)、質問紙調査(運動習慣・食習慣)を縦断的に実施した。本研究は当病院の倫理審査委員会で承認を得ており、参加者には文書による同意を得た。 参加者は未治療者1名を含む男性7名で平均年齢53.6歳であった。介入前後の比較では、平均HbA1cは0.3%低下し、平均体重は3.5kg減少する傾向を示したが、どちらも有意ではなかった。介入後のHbA1cが減少した者は4名、体重が減少した者は4名、両方の減少がみられた者は3名であった。3名に共通する特徴として、必要な生活習慣に関して目標設定ができたこと、その目標を自分で高めることができたことであった。 一方強化介入にも関わらず、3名はHbA1cおよび体重が減少しなかった。3名に共通する生活習慣として、飲酒習慣があがった。飲酒に対する指導方法を検討していく必要が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
対照群に対する介入研究の途中である。異なる企業の対象者の勤務に合わせての訪問は日程調整が難しく、計画通りの検体収集を行うことができず予定よりも計画について遅延が生じた。
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今後の研究の推進方策 |
対照群に行った介入プログラムのデータ収集と分析を行い、今年度中に介入プログラムの血糖値・身体計測値に及ぼす影響の視点から成果発表を行う。 次に、強化介入プログラムと通常介入プログラムの比較を行い、職場に出張して行う教育プログラムが行動変容に及ぼす影響について論文としてまとめる予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
当初計画では、採血により検体を収集する予定であったが、採血には医師の同行が必要となり、異なる企業の対象者の勤務に合わせての訪問は日程調節が難しく、計画通り検体採取を行うことができなかった。そこで、看護師訪問のみで検体採取が可能な機器を利用しての採取に変更し効率化を図るも、計画について遅延が生じ、データ不足分の収集費用および研究成果の取りまとめ経費について未使用額が発生した。 このため今年度は引き続きデータ収集を行った上で介入効果の検証及び研究成果の取りまとめを行う予定であり、未使用額については、上記実施に必要な消耗品の購入、研究成果発表費用にあてる予定である。
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