研究課題
【目的】多様な循環機能障害に対する全身対応型コンフォート促進の為の傾斜付きマットレスパッドの開発と評価。平成24年度、ペースメーカ(PM)植込み患者への聞き取りで休息・睡眠時における左側臥位選択制約と同体位の回避か枕の工夫によって埋め込み部への体圧を調整していることが分った。平成25年度は、健康成人対象に模擬患者を想定し、平成23年度に開発・作製した『全身対応型傾斜付90度軸回転積層法マットレスパッド』(平成25年8月に専門家評価も受けた)を用いて、左側臥位での左肩への除圧効果を測定した。【方法】研究倫理委員会承認後、大学近隣の地域自治会及び施設で協力者リクルート用チラシを配布、協力者に詳細を説明、同意を文書で得た。研究者所属の実験室にて、協力者に模擬PMを左前胸所定部位に保護テープで貼付、Xセンサー利用の所定プロトコールに沿い、2種のパッドで測定、指標は左側臥位左肩体圧と接触面積、主観的感覚。測定前後で体調確認。【結果】協力者16名。最初の7名(62~70歳、BMI22、女性2:男性4)まで、体位角度の指定はせず普段取っている楽な左側臥位とした。角度は約60度~105度、開発パッド上での理想体圧50mmHgを切れなかった。次の9名(51~66歳、BMI23、男性3:女性6)には、安楽を維持しつつ両肩がベッド面と90度になる左側臥位を取ってもらった。7名の左肩体圧が開発パッドで31%~61.3%減少、内4名(体重には関連しない)が50mmHg以下を示した。2名が9.9%~20.3%増加。接触面積は全員増加、14名が開発パッドでの頭部・頸部・肩等の位置関係が楽と評価。【考察】開発パッドの左肩体圧への減圧効果には、身体の形態学的位置関係が影響しており、人数を増やす一方、50mmHg以下を示す人の体位特性を把握し、それを基にPM埋込み患者対象の研究が必要となる。
すべて 2013
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Journal of International Innovation
巻: November Issue ページ: 101-103