本研究の目的は、脳血管疾患の維持期・終末期にある患者のフットケア・プログラムを開発することである。まず、介護施設の高齢者の下肢・足部病変の実態を調べ、下肢静脈鬱滞、皮膚の乾燥、足白癬、外反母趾、爪の変形・混濁の順に多いことがわかった。そこで1日1回、理学療法士によるマッサージと保湿ケアからなるプログラムを作成し、維持期にある5名に1か月間介入を行った結果、静脈鬱滞の改善がみられた。さらに要介護度が高い在宅療養者4名に、家族かヘルパーによるマッサージと保湿ケアに専門家による肥厚爪の切除を追加した介入を行った。血流改善の改善は明らかではなかったが、爪の状態は適切に維持されていた。
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