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2011 年度 実施状況報告書

レーザスペックル血流画像化法を用いた糖尿病足病変患者のフットケアに関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 23660043
研究機関山口県立大学

研究代表者

張替 直美  山口県立大学, 看護栄養学部, 准教授 (10238206)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2014-03-31
キーワード慢性病看護学 / 糖尿病足病変 / フットケア
研究概要

糖尿病患者のフットケアにおいて足部の血流測定は重要である。今年度は、アドバンス社と九州工業大学が開発したレーザースペックル2次元血流画像化法であるLFG-1-Wの血流測定の特徴をサーモグラフィとの比較において検討した。【方法】基礎疾患がなく健康な学生12名(18歳~37歳)を対象に、2011年9月5日~9月15日にアドバンス社のLFG-1-WとNEC多機能サーモグラフィR300を用いて右足背の測定を行った。室温は平均27.5±0.61℃、湿度は平均47.6±2.48℃であった。測定は、臥床安静15分後と座位安静15分後、そして脚温器(フジカスマーティレッグホット)を用いて20分間座位で下肢を温めた後の3回行った。右足首と足指の付け根を長径、長径の中間地点を短径とした楕円をA、右第1指中央部の最大の楕円をBとして皮膚血流と表面温度の平均値を求め、臥床安静後の値を基準として変化率を算出し比較検討した。【結果】脚温器を用いた時のLFG-1-Wの血流変化率は、足背で、座位安静後から加温後に87.6%から106.5%(+18.9%)に、サーモグラフィでは、98.2%から107.6%(+9.4%)に増加した。右第1指では、血流は82.7%から94.1%(+11.5%)に、温度は、98%から105.2%(+7.2%)に増加した。LFG-1-Wを用いた測定は、サーモグラフィと比較して足の下垂や加温に対して変化が大きく、部位による違いも明瞭であった。また、発汗時の血流変化が測定でき、周囲の温度に影響されにくいといった特徴があった。【結論】LFG-1-Wを用いた足部の血流測定は、サーモグラフィと比較して変化が大きいためわかりやすい。また、画像から微細な血流変化が可視化でき、環境温度に影響を受けにくく、発汗時にも測定できるといったメリットがあり、フットケアへの臨床応用の可能性が示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

1年目の予定は、レーザースペックル2次元血流画像化法であるLFG-1-Wのフットケアへの臨床応用の可能性を探るため、健常人の血流測定の特徴をサーモグラフィとの比較において検討することであった。この計画に則り、健常人の温熱刺激等による血流変化のデータ収集を行い、サーモグラフィとの比較において若干の知見を得た。今後は、その他の暴露(運動など)による変化も観察する必要がある。そして、糖尿病患者の測定に移る前にさらに本血流測定の特徴をつかんでおく必要がある。

今後の研究の推進方策

健常人の基礎データをさらに収集し、機器の特徴をつかむとともに、画像が意味することを解明していく必要がある。例えば、足部の画像がどの部分の血管や血流を反映しているかである。このことはすなわち、LFG-1-Wで足部を測定する意味であり、フットケアへの臨床応用に向けた検討につながる。 その後、糖尿病患者の足部の測定を行う。その方針としては、以下3点を考えている。1.糖尿病と糖尿病性足病変の病歴や病状との比較研究、2.糖尿病足病変患者の追跡研究、3.フットケア外来での応用研究である。この方法については、さらに詳細に検討し、研究フィールドである山口県立総合医療センターの倫理委員会で承認申請を行う予定である。

次年度の研究費の使用計画

次年度は、基礎実験や臨床実験における消耗品や実験補助者の人件費、また、被験者への謝礼や学会出張費などが主な支出予定である。

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公開日: 2013-07-10  

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