研究課題/領域番号 |
23660047
|
研究機関 | 神奈川歯科大学 |
研究代表者 |
李 昌一 神奈川歯科大学, 歯学部, 教授 (60220795)
|
研究分担者 |
小野塚 実 神奈川歯科大学, 歯学部, 教授 (90084780)
小松 知子 神奈川歯科大学, 歯学部, 講師 (20234875)
|
研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
|
キーワード | 摂食嚥下体操 / fMRI / 光トポグラフィ / 筋電図 / 唾液 / ESR / 抗酸化能 |
研究概要 |
65歳以上の高齢者人口 (平成21年) の総人口に占める割合は22.7%となり、要介護高齢者の介護状態の進行予防が大きな課題である。摂食・嚥下障害の予防・機能回復に有効とされる「嚥下体操」は多くの介護施設において集団で行え、高齢者自らが介護者の指示・介入なしに手軽にできることより普及している。これまでに嚥下体操の評価を定量的に明瞭に示した報告は少ない。23年度は高齢者ボランティアに実際に簡易神経認知検査、ならびに先端医療機器(fMRI,光トポグラフィー)による高次脳検査を実施する前に、まず健常者ボランティアによる食形態の違いによる嚥下関連筋の筋活動の評価を行い、次いで嚥下体操の効果を非侵襲計測である表面筋電図計測により嚥下関連筋の活動電位を定量的に測定することを評価可能にした。表面筋電図は完全無侵襲であり,シール状電極の貼付けだけで10分程度で検査できるため,国内外で嚥下機能のスクリーニング検査として提案されている。しかしこれを食形態の違いによる筋活動の変化や嚥下体操の前後における機能評価に応用する試みは内外にないので、我々は嚥下障害の予防・回復に役立つと考えられる、嚥下体操による高齢者の嚥下関連筋の活動の変化を表面筋電図で捉え、その効果を定量的に評価した。筋電図の振幅は筋活動の時間にも関連するが、嚥下体操を行うことはその後の水分嚥下時の嚥下関連筋の筋活動を円滑にし,嚥下を容易にすることが示唆され、筋活動の円滑化がむせや誤嚥の予防につながると考えられた。若年健常者においても嚥下体操の効果がみられたことより、摂食・嚥下障害の機能回復のみならず、予防の観点からも高く評価できると考えられた.さらに、生体に及ぼす影響を唾液成分中の活性酸素消去能について電子スピン共鳴(ESR)法を用いて測定し、酸化ストレス制御機構への影響を解明する研究を進めている。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
23年度は高齢者ボランティアに当初神経認知検査を行う予定であったが、まず23年度摂食嚥下障害のメカニズム解明のために、健常者ボランティアによる食形態の違いによる嚥下関連筋の筋活動の評価を行い、次いで嚥下体操の効果を非侵襲計測である表面筋電図計測により嚥下関連筋の活動電位を定量的に測定することを評価可能にしたため遅れたが、24年度に高齢者ボランティア、脳血管障害患者の摂食嚥下体操による神経認知検査と表面筋電図計測を合わせて行う予定であり、重ねて、生体に及ぼす影響を唾液成分中の活性酸素消去能について電子スピン共鳴(ESR)法を用いて測定する予定である。
|
今後の研究の推進方策 |
23年度に表面筋電図計測による摂食嚥下機能の評価が可能になったので、24年度は24年度に高齢者ボランティア、脳血管障害患者の摂食嚥下体操による神経認知検査と表面筋電図計測を合わせて行う予定である。
|
次年度の研究費の使用計画 |
23年度に表面筋電図計測による摂食嚥下機能の評価が可能になったので、24年度は24年度に高齢者ボランティア、脳血管障害患者の摂食嚥下体操による神経認知検査と表面筋電図計測を合わせて行う予定であるので前年度から繰り越した人件費・謝金の支出が多くなる予定である。
|