2012 年度実施状況報告書

２型糖尿病をもつ就労者の二次予防に着目したセルフモニタリングプログラムの開発

研究課題

研究課題/領域番号	23660049
研究機関	愛知医科大学
研究代表者	高橋圭子愛知医科大学, 看護学部, 准教授 (50351151)
研究分担者	片山清和四日市大学, 経済学部, 准教授 (90387928)
キーワード	２型糖尿病 / セルフマネジメント / 支援プログラム / 記録データの視覚化 / パソコンソフト
研究概要	24年度には、パソコンソフトの記録項目の決定、パソコンソフトの作成、プレテストを実施した。【パソコンソフトの記録項目の決定】項目は、プロフィール、毎日の基本データ、食事・運動・薬物療法にわけて決定した。プロフィールには利用開始時の身長、体重、血圧、食習慣、運動習慣、勤務形態、ストレス等も含めた。毎日の基本データにはメモ機能を設定した。食事療法には、食品交換表に基づいた分量を記録項目とした。運動療法では、歩数、代表的な運動とその運動時間を記録項目とした。薬物療法では、血糖値、低血糖の有無、インスリン・服薬状況を記録項目とした。【パソコンソフトの作成】当初の計画ではAdobe社のFlashで作成する予定だったが、Flashの開発中止となる可能性が高いと判断し、PHP、HTML、Javascriptを用いてWebページという形式で作成した。パソコンソフトは、新規登録ページ、ログインページ、トップページ、知識提供ページ、データ入力ページ、データ表示ページなどから成り立っている。新規登録ページは、パソコンソフトを初めて使用する利用者を登録するためでページであり、利用者のIDやプロフィールを登録することができる。ログインページでは登録された利用者がIDやパスワードを入力し、ソフトの利用を開始できる。トップページは利用者がIDとパスワードを入力して利用を開始した後、最初に表示されるページで、知識提供ページ、データ入力ページ、データ表示ページへのポインタを有するだけでなく、利用者の登録時と直近のデータをレーダーチャートで表示したり、その日の未入力項目が一目でわかるようにチェック欄を表示したりしている。データ表示ページでは、入力されたデータを表などによって表示するとともに、グラフで視覚的に把握できるようにした。【プレテスト】プレテストは被験者8名。目的は使用性の検討を最優先し2週間とした。
現在までの達成度 (区分)	現在までの達成度 (区分) 4: 遅れている理由現在までの達成度として当初の予定よりは大幅に遅れている理由としては、１）文献検討に予想以上に時間を要した　２）記録するデータの決定に極めて時間を要したためである。多くの文献においてtelemedicine（遠隔医療）の定義が多岐にわたっており、文献検討において、文献の整理・分類に時間がかかった。一度は記録するデータを決定し、パソコンソフトの仕様を決定した後、パソコンソフトの作成に取りかかったが、パソコンソフトの完成イメージや動作デモを見て初めて、記録するデータやパソコンソフトの仕様に不備が見つかり、何度も記録するデータの追加やパソコンソフトの仕様変更をすることになり、パソコンソフトの多くの不具合が生じた。そのため、記録するデータの決定とパソコンソフトの仕様決定で検討に検討を重ねたため、極めて時間を要することになった。
今後の研究の推進方策	プレテストでの結果から、現在の食事療法の支援プログラムでの問題点が明らかになったため、新たな食事療法の支援プログラムを開発し、その支援プログラムをパソコンソフトに組み込む作業を行っている。また、運動療法の支援プログラムでも運動の種類を増やすなどの更新を行い、それをパソコンソフトに組み込む作業も行っている。また、プレテストでの被験者からの意見を取り入れ、パソコンソフトのデザインも大幅に修正する作業を行っている。パソコンソフトでの修正作業は５月末に完成予定である。その後、３ヶ月間の本テストに入る予定である。本テスト終了後には、利用者から得たデータを分析・検討することによって２型糖尿病のセルフマネジメントを支援するプログラムの評価を行う。また同時に、利用者から得たパソコンソフトの使用性・操作性・満足感に関するのアンケート結果を基に、パソコンソフトの評価を行ってまとめ、学会で発表する。また、成果の妥当性・信憑性を高めるために、国内外の関係有識者とのディスカッションを通してさらなる課題を決定していきたい。最後に成果報告書としてまとめる。
次年度の研究費の使用計画	最終年度であり、本調査の遂行とデータ分析、研究結果の成果報告を完成させていくために、本調査に必要な資金だけでなく、データの妥当性・信憑性を高めるための国内外の関係有識者からの意見を求めたいと考えている。成果報告書に関連した資金および成果の学会報告、さらに調査・視察・研修のため旅費を主として計上したい。