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2011 年度 実施状況報告書

母親の養育者としての発達に関する研究―「愛着‐養育バランス」尺度の活用―

研究課題

研究課題/領域番号 23660061
研究機関浜松医科大学

研究代表者

武田 江里子  浜松医科大学, 学内共同利用施設等, 講師 (60448876)

研究分担者 弓削 美鈴  佐久大学, 看護学部, 准教授 (20369333)
研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2014-03-31
キーワード愛着-養育 / 養育者
研究概要

研究1:養育者としての発達過程を明らかにするため、産後1か月の母親に「愛着-養育バランス」尺度を用いての継続調査(3歳前後まで6回の調査)を依頼し、125名の協力が得られており、3月時点で3回目の調査まで終了している。研究2:乳幼児健診でのリスク群の早期発見および尺度の健診時におけるアセスメントツールとしての有用性を検討するため、3つの市の6か月相談および1歳6か月健診で尺度を用いての調査を行い、相談や健診場面で使用されている問診票や記録と尺度の照らし合わせを行っている。指導内容については、市は健診時の個々の記録から抽出した。病院での指導については、外来での時間的制約や対象者全員に指導を行っているところがなかったことから、スタッフに対する自記式質問紙調査とした。 研究1は、縦断調査であるため中間時点での結果しか出せないが、個々の変化をおえるため発達過程がみえてくると期待できる。 研究2では、3市それぞれの報告書を作成し各市に状況の報告を行った。各市の相談・健診場面での「気になるケース」は、客観性を持たせるため、SPSS Text Analytics for Surveys4.0を用いてテキストマイニング分析で抽出した。それを元に尺度のカットオフ値の設定を試みている。「気になるケース」の内容と尺度の関連性から、リスク群の早期発見への有用性が期待でき、かつケースの個々の状況と尺度の各因子を照らし合わせることで、その対象のどの因子について働きかけたらよいのか、その因子に影響する背景はなにかというような個々に対しての具体的な支援策が見えてきている。さらに検討を重ね支援プログラム案を作成し、養育者への発達を促す支援に結び付けていくことで、今後の子育て支援の一環として役立つと考える。医療関係者および一般市民を対象として、出産・子育ての支援に活躍されている講師を招いて講演会を開催した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

継続調査対象者が予定より集まらず(回収率25%程度)、現在追加で依頼している。市町村の相談・健診での調査は予定通り進んだが、その後の各対象者の問診票・記録との照らし合わせが、各市の相談・健診後の処理(入力)の関係もあり遅れ、2月末までかかってしまった。最初の計画では、市や病院の医療スタッフに対象者への保健指導内容を記載してもらう予定でいたが、市では記録からの抽出とし、病院では全員に指導がされるわけではないことから、保健指導全般に関するスタッフへの意識調査という形に変更した。計画の変更に伴い、倫理審査委員会に再度申請したため、調査の開始が遅れてしまった。以上より、やや遅れていると評価したが、継続調査以外の調査についてはすべて回収までは済んでおり、入力も進んでいることから、今後は順調に進むと思われる。

今後の研究の推進方策

平成24年度:研究1の継続研究については、ここまま調査を進めていく。研究2については、「気になるケース」のみではなく、相談・健診での全ケースの個々の調査結果と尺度の6因子の分布を照らし合わせ、現場スタッフとの検討を重ね、尺度のカットオフ値の再検討および健診場面での尺度の使用法について検討していく。さらに指導内容との照らし合わせや、スタッフの保健指導に対する意識調査から、現在の指導における検討課題を明らかにしていく。以上を踏まえ、支援プログラム案(市町村用と医療施設用)を作成する。平成25年度:研究1では引き続き継続調査を進め分析し、養育者としての発達過程についてまとめる。研究2では、市での相談・健診の場面で支援プログラム案を実施してもらい、同時に尺度を用いての調査をすることで、支援プログラム案の評価を行い有効なプログラムとなっているか、改善点はないか等再検討していく。医療施設における支援プログラム案についての評価は産後1カ月をめどに行っていく。研究1で明らかになる養育者としての発達過程と、研究2で検討する支援プログラム案を合わせ、発達に応じた支援の具体策モデルの構築をめざす。

次年度の研究費の使用計画

【備品】調査票(紙データ)が増えてきたため、保管するために鍵付きの書庫が必要である。【旅費】研究協力機関との検討会(1~2か月に1回程度)、研究分担者・連携者との打ち合わせ(1~2か月に1回程度)のための旅費、および3つの学会発表を予定しているため、そのための旅費が必要である。【謝金等】継続調査対象者への調査協力への謝礼、調査票の準備、データ入力等の研究協力者への謝礼が必要である。【その他】消耗品、印刷費、通信費(切手等)、複写費等が必要である。学会発表・論文化のための英文校正にかかる費用が必要である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] 母親の子どもに対する「愛着-養育バランス」尺度の開発 第1報―母親から子どもへの「愛着」「養育」の構成因子の抽出―2012

    • 著者名/発表者名
      武田江里子、小林康江、加藤千晶
    • 雑誌名

      日本看護科学会誌

      巻: 32巻1号 ページ: 30-39

    • 査読あり
  • [学会発表] 不安の強い乳幼児の母親の心理的特徴2011

    • 著者名/発表者名
      武田江里子、小林康江、加藤千晶
    • 学会等名
      第52回日本母性衛生学会
    • 発表場所
      京都
    • 年月日
      2011年9月29日
  • [学会発表] Difference of consciousness of breastfeeding -Comparison according to mother's age-2011

    • 著者名/発表者名
      Eriko Takeda
    • 学会等名
      ICM 29th TRIENNIAL CONGRESS
    • 発表場所
      Durban,South Africa
    • 年月日
      2011年6月23日

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公開日: 2013-07-10  

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