研究課題/領域番号 |
23660061
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研究機関 | 浜松医科大学 |
研究代表者 |
武田 江里子 浜松医科大学, 学内共同利用施設等, 講師 (60448876)
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研究分担者 |
弓削 美鈴 佐久大学, 看護学部, 准教授 (20369333)
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キーワード | 愛着-養育 / 養育者 |
研究概要 |
研究1:養育者としての発達過程を明らかにするため、産後1か月の母親に「愛着-養育バランス」尺度(6因子:30項目)を用いての継続調査(3歳前後まで計6回の調査)を依頼し、234名の協力が得られている。3月時点で、4回目(1年時)の調査まで終了しており、途中経過を一部学会にて発表したり、論文化し投稿している。同時に調査している影響要因についても今後詳細に分析し、モデル化していく予定である。これまでのすべてのデータから尺度6因子のカットオフ値を設定したことから、アセスメントツールとしての活用を試みるための調査を開始している。 研究2:「愛着-養育バランス」尺度の市の乳幼児健診での有用性について、24年度は各市との検討会を開催した。各市の健診での問診票と尺度との照らし合せの結果、尺度の妥当性が確認できた。個々の発達状況に応じた支援策を検討していく中で、発達状況(尺度6因子)のパターン化から、それぞれのパターンに属する対象の特徴を捉えようと試みているが、匿名化された問診票だけでは限界があり、抽象的な支援にとどまってしまっている。実際の健診や相談場面の中で尺度を活用しながら、より具体的な支援の構築を目指すこととした。しかし、健診の実際の場面での尺度の活用となると30項目では多いとの指摘があり、12項目の短縮版を作成した。25年度は健診や相談場面での短縮版の活用を通して、その妥当性とともに、支援の具体策の検討をしていく予定である。 研究3:病院での指導についての調査では、産後の母親の思いと医療者サイドの考えにずれが生じている可能性が示唆された。さらに、産後1か月時点で個々に応じた支援をしている施設は少ないことから、産後1か月での支援に向けてのパンフレットの作成に着手している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究1:25年度中に6回目(産後3年前後)の調査までは終了できないが、5回目(産後18か月時)の調査までは終了できることから、本研究の目的である養育者としての発達過程を明らかにするための基礎データは概ね確保できる。 研究2:各市との検討会の日程調整が遅れてしまい、さらに、検討会でも問診票に全てが記載されているわけではないことから、具体的な支援策まで検討できなかった。もっと個々の状況を把握できる方法を検討すべきであった。しかし、25年度はさらに市の協力が得られることとなり、個々の健診相談時において、その対象を担当した保健師の意見も調査できることとなった。この調査により、健診時における支援について具体的に検討できると考える。 研究3:1か月健診時での支援の有用性については調査が進み、具体的な支援策についての基礎資料もそろいつつあるため、概ね研究目的は達成できると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
研究1:25年度中に対象者すべての6回目の調査までは終わらないが、5回(産後1年6か月時)目までは終了するので、それまでの発達過程と影響要因についてモデル化を試みる。 研究2:市の1歳6か月健診にて尺度短縮版を相談(個別)場面で活用してもらい、担当保健師の意見も同時に調査する。同意の得られた母親には健診への期待と健診後の満足度を調査する。尺度(養育者としての発達状況)と医療者サイドの意見と支援を受ける母親の意見を同時に得られることで、有効な支援策を検討できると期待できる。 研究3:産後1か月健診時の支援については、これまでの調査で明らかになった「母親が産後1か月時に聞きたかった内容」と「産後1か月の母親のストレス内容」からパンフレット内容を検討し、試作ができた時点でフォーカスインタビューにて母親たちの意見を聞き、修正していく予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
【旅費】研究分担者・連携者との打合せ、国際学会への研究成果の発表および情報収集のための旅費が必要である。 【謝金等】調査対象者への調査協力への謝礼が必要である。 【その他】消耗品、印刷費、通信費(切手等)、複写費等が必要である。
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