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2012 年度 実績報告書

「つわり」は葉酸添加ガムで治せるか?-新たな代替療法の検証-

研究課題

研究課題/領域番号 23660062
研究機関京都大学

研究代表者

菅沼 信彦  京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (30179113)

研究分担者 渡邊 浩子  滋賀医科大学, 医学部, 教授 (20315857)
山口 琴美  京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (40432314)
能町 しのぶ  滋賀医科大学, 医学部, 助教 (40570487)
キーワード葉酸 / つわり / 妊娠初期妊婦 / QOL / ホモシステイン / チューンガム
研究概要

我々は、妊婦を対象に胎児の神経管細胞の分化・増殖に大きく関与する葉酸に着目し、多くの介入研究を重ねてきた。その結果、妊婦の葉酸摂取量は推奨量(440μg)を大きく下回り、加えて葉酸の生体利用効率も低いことから、葉酸含有サプリメントを補充しない限り推奨量を満たすことは困難であることを明らかにしてきた。しかしながら、妊娠初期はつわりの時期と重なることにより、通常のサプリメント摂取は困難であり、有効な補充法を確立する必要がある。
また、つわりは妊婦の約8割に出現し、軽症でも電解質のバランスの悪化、精神症状の悪化、代謝異常を惹起させ、QOLを低下させる。従来より、つわり症状は妊娠中期に自然に改善するマイナートラブルと考えられ、積極的な治療は行われてきていない。そのため、国内外においても、根本的な治療法は確立されておらず、エビデンスが示されていない対症療法に依存している。
そこで、つわりに対する効果も報告されているチューインガムに葉酸を添加し、摂取が容易になるよう工夫した。先行研究において、種々の構成のチューインガムを作製し、その効果を検討したところ、葉酸の補充が可能であったとともに、葉酸添加ガムは非添加ガムに比して、つわり症状改善効果も認められることが明らかとなった。
そこで本研究では、さらに多数例において解析を加えた結果、明らかな血中葉酸濃度の上昇ならびにホモシステイン濃度の減少が認められた。さらにつわり症状においても、葉酸添加ガム摂取群において、有意差をもって改善効果が証明された。今後の初期妊婦のQOL改善のためにも、本研究は有意義な結果が得られたものと考えられる。

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公開日: 2014-07-24  

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