研究課題/領域番号 |
23660069
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研究機関 | 山形県立保健医療大学 |
研究代表者 |
菊地 圭子 山形県立保健医療大学, 保健医療学部, 助教 (00444927)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 授乳指導 / 視覚的特徴 / アイマークレコーダー |
研究概要 |
平成23年度は、現行の授乳指導の分析と課題の抽出を行った。A県の総合病院2病院において産後早期に行われる授乳指導の観察と助産師、褥婦双方への面接調査を行った。授乳指導は母親と新生児に手を添えながら口頭で説明するハンズオンでの指導が主で、指導内容はどの助産師にも共通していた。助産師への面接調査では、褥婦に対する授乳指導の難しさが語られ、褥婦からは「よい姿勢をとって吸い付かせるまでが難しい」など、新生児に乳頭を適切に捕獲させるまでの手技の難しさが語られた。この結果から、産褥早期の母親は新生児に乳頭を適切に捕獲させることに困難さを感じているが、助産師もそれらの指導に困難さを感じており、指導上の課題があることが示唆された。現在データ分析を継続中である。 さらに、今年度は次年度以降の眼球運動計測にむけ、測定機器の選定を行った。授乳時に褥婦は下顎をひきつけ、乳房や新生児に向けてほぼ真下に視線を向ける特有の姿勢をとる。この姿勢にある褥婦の眼球運動を計測するためには、非装着型アイマークレコーダーでは、測定範囲や検出角度に限界がありまったく計測できず、装着型アイマークレコーダーであっても、視野レンズの角度を調節できないものは、計測が不可能であることがわかった。本学所有の(株)ナックイメージテクノロジー社製EMR-9帽子型ヘッドユニットで計測可能なことを確認したが、帽子型ヘッドユニットでは視野レンズが突起しているため、授乳時の体勢では新生児に接触する危険性があり、スポーツグラスタイプを購入して計測することとした。その後、協力同意の得られた健常成人および褥婦に対してプレテストを行い実験機器の動作環境を確認し、専門家のスーパービジョンを受けながら計測プロトコールを作成した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画書どおりに遂行できている。
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今後の研究の推進方策 |
平成24年度は授乳時の母親の視覚的特徴を明らかにするため、出産後入院中の褥婦および出産後1ヶ月ごろの母親の眼球運動を計測し、データを分析する。また平成23年度の成果について、平成25年2月にタイ国で開催される 16th EastAsian Forum of Nursing Scholarsにて発表する。学会発表後は学会誌への投稿を行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成24年度は眼球運動計測データを解析するために、EMR9専用の解析ソフトEMR-dFactoryのライセンスを購入する。また、データ収集のために、対象者への謝礼、RAの雇用費、SDカードの購入費を使用する。第14回日本看護学会学術集会(神戸)、16th EastAsian Forum of Nursing Scholars(THAILAND)への参加のために旅費を使用する。
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