研究課題/領域番号 |
23660073
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研究機関 | 石川県立看護大学 |
研究代表者 |
曽山 小織(高野小織) 石川県立看護大学, 看護学部, 助教 (10405061)
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研究分担者 |
米田 昌代 石川県立看護大学, 看護学部, 講師 (80326082)
吉田 和枝 石川県立看護大学, 看護学部, 教授 (50353032)
東 雅代 石川県立看護大学, 看護学部, 助教 (80457887)
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キーワード | セルフケア / 妊婦 / 医療コミュニケーション |
研究概要 |
妊婦のセルフケア意識を高め健康に留意することは妊娠や出産の異常を予防して、さらに胎児の子宮内環境を良好に保ち、胎児の発達のみならず子どもの将来の成人病予防にまで影響する(DOHaD)と言われている。そこで、妊婦のセルフケア意識を高め保健行動を促進する支援プログラムを作成するため、本研究では妊婦の保健行動を促進する機会となる妊婦健診時の医療者の関わりについて検討することを目的としている。検討内容は妊婦健診における妊婦と医療者の相互作用を調査すること、医療者が妊婦の保健行動を促進するためにどのような関わり方を実践しているか調査することである。妊婦健診における妊婦と医療者の相互作用を調査するため、平成24年度は妊婦健診の問診場面について妊婦と医師の会話のやりとりを縦断的に観察して、データ収集を終了した。現在、録画または録音で得たデータを量的および質的に分析中である。会話内容のうちセルフケアに関する項目は体重変化、食事、運動、またはマイナートラブルなどであり、妊娠期間を通して医師は食事や運動に関する会話を意図的に行い妊婦のセルフケア意識を高めようとしていた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究は妊婦健診というセンシティブな場面を録音または録画にて調査するため、研究計画段階で趣旨に同意が得られた医師とその施設を対象に調査を予定していた。しかし、当該医師の急な体調変化の関係で、医師の再選定が必要になった。平成23年度は医師を再選出して、研究趣旨に同意を得るまでに時間を要した。医師から研究許可を得た後、医師の所属する施設にて外来担当者と意見交換や打ち合わせを行い調査を開始した。本研究は観察調査であるため、参加の同意が得られる妊婦数が少なく、募集期間を延長した。妊娠期間を縦断的に調査したため、調査終了まで一定期間が必要だった。データは量的分析だけではなく質的分析も行っており時間を要している。
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今後の研究の推進方策 |
平成24年度は妊婦健診の問診場面の録音または録画による縦断的なデータ収集が終了した。現在、妊婦と医師の会話内容の実態を明らかにするため、会話をカテゴリーに分類して量的に分析中である。また、妊婦のセルフケア意識を高める医療者の関わりについて質的に分析中である。平成25年度はこの分析結果をもとにして妊婦健診がセルフケアを高める一因となるか妊婦に調査予定である。また、助産師外来担当者に妊婦のセルフケア意識を高めるためにどのような関わりを実践しているか調査予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
妊婦健診の問診場面の録音または録画データをQDAソフトウエアで分析中であり、映像や録音データとトランスクリプトの同期に人件費を使用する。また、妊婦や助産師外来担当者を対象にしたセルフケアに関するインタビューを実施予定であり、旅費や調査対象者への謝金を使用予定である。インタビューしたデータのトランスクリプト作成に人件費を使用する。ほかに、論文投稿のための文献複写費用、英語のネイティブチェックのため翻訳費用を使用予定である。
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