研究課題/領域番号 |
23660076
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研究機関 | 山梨県立大学 |
研究代表者 |
渡辺 かづみ 山梨県立大学, 看護学部, 准教授 (80347236)
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研究分担者 |
清水 恵子 山梨県立大学, 看護学部, 教授 (10381708)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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キーワード | 自殺未遂 / 家族 / 急性期 / 心理的変化 / 家族看護 |
研究概要 |
所属大学の研究倫理審査委員会の審査を受け承諾が得られたので、研究に協力して頂けそうな施設に依頼し、承諾を得た。また、精神科医にも当初の研究計画を説明し意見を求めた。「自殺未遂患者の家族でも、様々な家族がいる。看護介入の可能な家族と難しい家族がいる。どのような家族を研究対象にするのか、焦点を絞った方が良い」という精神科医の助言を受け、2010年A施設に自殺企図で搬送された患者(99名)の概要と自殺未遂患者家族の看護記録の分析を、研究者2名と臨床で勤務する看護師2名、合計4名で行った。2010年に自殺企図で搬送された患者99名のうち未遂患者は80名であった。概要としては見えてきたことは次の通りである。未遂患者は、20代から60代が多く企図手段としては、薬物毒物が63名と一番多く、原因薬物としては向精神薬・睡眠薬が多かった。企図手段の2番目に多かったのは自傷であった。精神疾患の既往のあるものは、60名(75%)おり、精神科転院が16名(20%)いた。 本研究の目的1である「自殺未遂患者の家族の心理的変化を急性期に焦点をあて明らかにする。」を、過去の看護記録の分析を通し明らかにしている段階である。心理的変化は分析中であるが、現段階として家族は、「自殺した事への驚き」「回復への願い」「自殺未遂の原因の推察」「状態に対する心配」「経済面での心配」という思いを抱いているということが見えてきている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
予定より遅れている理由としては、対象家族を特定するために、当初予定していなかった自殺企図者の概要を把握するなど基礎的研究の必要性が生じ、それに取り組んだためである。現時点では研究目的1について過去の記録から明らかにしている段階である。今後は、現在行っている分析をできるだけ早期に終了させ、自殺企図者の概要と過去の記録から見た家族の心理の関連とを検討し、対象とする家族の特定をしたい。 本研究は次の3つの目的を立てている。その目的は、「研究目的1:自殺未遂患者の家族の心理的変化を、急性期に焦点をあて明らかにする。」「研究目的2:自殺未遂患者の家族にとって効果的な資源を明らかにする。」「研究目的3:急性期における効果的な医療関係者の援助を明らかにする。」である。研究目的1は、過去の記録を分析している段階で研究実績の概要のところで述べたように家族の心理が見えてきているが、記録に全て残っているわけではないので、今年度は家族に直接面接し明らかにしたいと考える。研究目的2ならびに研究目的3は、家族との面接ができていないために、現時点では明らかにできていない。今年度行う家族との面接時に合わせて聞き、明らかにしたい。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究は次のように進めたいと考えている。4月~7月:過去の記録から家族の心理をまとめると共に、自殺企図の概要と家族の 心理とを関連を分析し、面接する家族の焦点を絞る。この時に精神科医ならびにリエゾンナースにも助言を求める。8月~11月:家族との面接 12月~2月:分析 3月:結果まとめ【 研究計画の変更 研究を遂行する上での課題 】当初の予定より研究が遅れている。家族のインタビューの承諾を得るのが難しい場合、家族のインタビューの件数(15例)をこの期間内で確保できない場合も予想される。件数が確保できない場合、必要な手続きを踏んだ上で平成25年度も継続して行いたいと考えている。
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次年度の研究費の使用計画 |
今年度家族との面接が出来なかったので、次年度に繰り越し必要物品を購入する予定である。次年度は、概ね次の様に研究費を使用したいと計画している。設備備品費 SONY ディテクター2台(136000)消耗品費 カセットレコーダー2台(42000)用紙 カセットテープ等( 30000)旅費等 国内旅費 (100000) 謝金(200000) その他(会議費・印刷費・通信費等)(200000)
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