研究課題/領域番号 |
23660077
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研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
町浦 美智子 大阪府立大学, 看護学部, 教授 (70135739)
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研究分担者 |
中嶋 有加里 大阪府立大学, 看護学部, 准教授 (40252704)
椿 知恵 大阪府立大学, 看護学部, 助教 (60582319)
山田 加奈子 大阪府立大学, 看護学部, 助教 (90583740)
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キーワード | 分娩介助技術 / 会陰保護 / ハンズオフ手法 / 分娩体位 / 国際情報交換 |
研究概要 |
1.助産院におけるデータ収集:初産婦に対する分娩第2期のハンズオフ手法の実態を把握するために2か所の助産院にて初産婦4名の分娩時の様子を撮影し、介助した助産師2名に面接調査を実施した。助産院では妊娠中の関わりが大変重要で、妊婦との信頼関係を築くこと、妊婦自身が安全・安楽で満足のいく出産に向けて食事、運動、会陰マッサージなど心身の準備を整えておくこともハンズオフ手法で会陰裂傷なしの出産を導く要因であると考えられた。分娩第2期は産婦は無理にいきまず、自然の努責をかけ、自由な体位で出産することもハンズオフ手法を可能にしていた。 2.オランダにおける助産師活動の視察:オランダは家庭における分娩率が約25%と先進国でも高い。7月2日~10日にグループ開業による地域での助産師活動、産褥訪問看護師の活動、大学病院におけるハイリスク妊婦を対象にした助産師活動の実際を視察した。グループ開業の助産師は家庭での出産を介助し、産後訪問により会陰縫合がある場合はその抜糸を実施し、新生児の健康状態を観察していた。産褥訪問看護師によるサービスは母親が出産直後から利用できる制度であり、すべてのサービスは保険適用であった。産褥訪問看護師は母児の健康状態を観察して助産師に報告するかたわら、母親の育児や家事をサポートする重要な役割を果たしていた。大学病院の助産師はハイリスク妊婦を対象に、例えば切迫早産兆候のある妊婦のモニタリングを自宅で実施し、医師と協働で妊婦の状態を観察するというシステムの中で活動していた。妊婦が家族とともに過ごすことができ、妊婦の安楽を保障する点ではとても良いシステムであると考えられた。この視察の内容は紀要に投稿した。 3.岩田塔子氏の講演会については日程調整の都合上、4月10日に開催することが決定した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成24年度に助産院でデータ収集すべき数が少ないことが大きな理由である。本研究の研究参加者を初産婦としているため、助産院によっては初産婦の分娩の取り扱いが少ないという実情がある。また里帰り分娩をする場合、助産師との信頼関係を築く場において、他者が入り込むという難しさも影響していると思われる。今後さらに例数を増やしていく予定である。また病院でのデータを収集する予定であったが、例数が少ない段階では研究を依頼することが困難であった。
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今後の研究の推進方策 |
最終年度として学会発表への準備をしていく。現在2014年に開催されるICM大会での発表を予定している。 助産院でのデータ収集を8月まで継続するが、例数が少ない場合は12月まで延長し、最終的に収集したデータを基にハンズオフ手法のデモ用DVDを作成していく。病院でのデータ収集はその必要性を再度検討し、研究倫理委員会での審査を受け手実施する。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成24年度に引き続きデータ収集をするために、面接調査のテープ起こしと、分析や資料整理の人件費、研究参加者への謝金等に使用する。専門的知識の提供として岩田塔子氏による講演会開催の講師料が必要である。また学会参加やDVD作成の費用も必要である。
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