研究課題/領域番号 |
23660079
|
研究機関 | 弘前学院大学 |
研究代表者 |
工藤 優子 弘前学院大学, 看護学部, 講師 (10553042)
|
研究分担者 |
櫛引 美代子 弘前学院大学, 看護学部, 教授 (70234424)
|
研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
|
キーワード | 妊婦 / 妊娠子宮の増大 / 腹部の突出 / 妊娠子宮による視界の制限 / 日常生活動作 |
研究概要 |
現在、妊娠経過に伴う妊婦の視界の制限の程度や日常生活動作に与える影響についてはほとんど明らかにされていない現状である。本研究は、妊娠経過に伴う増大した子宮による突出した腹部によって影響される視界の制限と日常生活動作への影響について明らかにすることである。平成23年度は研究計画に基づき以下の2つの研究に着手した。1.実験:非妊娠女性を対象とした妊婦疑似体験による視界の測定、対象:妊婦体験ジャケットを装着した20代の非妊娠女性、方法:眼球運動測定装置アイマークEM-8Bにより以下の場面で視界の測定を行う、(1)立位と座位で特注のスケール(ノンスリップタイプ)を床に敷いて視界の測定をする。(2)階段の昇降時(特に前方)における視界を測定する。(3)日常生活動作時の視界を測定する。現在、データ収集中であり細かい分析はまだ行っていないが、階段を降りるときは1段目はほとんど見えていないことが明らかになった。人によっては3段目から見えている状態だった。これは、『足元が見えにくい』という抽象的なものにとどまっていた保健指導の内容が『1段目は見えないので手すりにつかまるなどの対応が必要である』という具体的なものとなり、妊婦もより安全に配慮した行動がとれると考えられる。2.調査:妊婦を対象とした日常生活動作の変化に関する調査、対象:正常な妊娠経過をたどっている妊婦500名、方法:日常生活動作(歩く、座る、しゃがむなど)の非妊娠時との変化について調査する。正常な妊娠経過をたどっている妊婦に対し、日常生活における視界の変化と影響についてアンケート調査を実施した。現在郵送によりアンケート回収中である。アンケート調査の結果は平成24年11月に学術集会において発表予定である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
東日本大震災の影響で助成金の交付が遅れ、眼球運動測定装置アイマークEMR-8B(以下EMR-8B)の納入が遅れた。さらにEMR-8Bのキャリブレーションなど操作方法の習熟に時間を要したことやEMR-8Bの故障などがありEMR-8Bによる実験の開始時期が遅れた。しかし、3月には実験に着手することができ現在データ収集中である。 妊婦を対象とした日常生活動作の変化に関する調査については、平成23年度12月よりアンケートを配布した。妊娠時期によるデータの偏りが生じないように、24年3月に追加配布を行い、現在郵送によりアンケートを回収中である。
|
今後の研究の推進方策 |
妊婦を対象とした日常生活動作の変化に関する調査は、アンケートの回収終了後結果は統計的に処理・分析し平成24年11月の学術集会で発表する予定である。非妊娠女性を対象とした眼球運動測定装置アイマークEMR-8B(以下EMR-8B)による視界の測定の実験は、EMR-8Bの操作方法は研究者間で操作方法を数回確認しあいスムーズに操作できるようになっている。実験は約1時間程度の時間を要するので、アルバイトの時間の都合を聞き相談しながら早めに実験の計画を立てて行っていく。研究の結果は平成25年度の学術集会で発表する。また、平成24年度の妊婦を対象とした視界の測定は延べ30名の妊婦を予定している実験は妊婦の安全を考慮して産科クリニックにおいて実施し、研究者3名で実験する予定である。研究協力者の妊婦と研究者3名との時間を調整する必要があるため、実験の協力を依頼する妊婦は早期に決定し依頼する。実験は講義と重複しないような時間と曜日を予め調べ研究者の時間調整をしてから、研究協力を依頼する。協力を依頼するクリニックには予めEMR-8Bなどの実験機器を搬送し速やかに実験を開始できるように物品の準備を十分に行う。研究結果は平成25年度の学術集会で発表する予定である。
|
次年度の研究費の使用計画 |
(1)設備費備品として、IBM統計解析ソフトSpss20.0Statistics(113,400円)(2)学会(第53回日本母性衛生学会学術集会)発表旅費として、200,000円(2名×100,000円)(3)人件費・謝金として、150,000円(30名×5,000円)(4)その他として、切手(18,000円)、ミニDVテープ(3,000円)、SDメモリーカード(10,000円)事務用品(5600円)が少なくとも必要である。
|