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2011 年度 実施状況報告書

母乳育児の継続に必要なサポート尺度ーカップルバージョンの開発ー

研究課題

研究課題/領域番号 23660085
研究機関徳島文理大学

研究代表者

森脇 智秋  徳島文理大学, 保健福祉学部, 准教授 (90515628)

研究分担者 川西 千惠美  徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (40161335)
岸田 佐智  徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (60195229)
川田 美由紀  徳島文理大学, 保健福祉学部, 講師 (10518070)
古川 薫  徳島文理大学, 保健福祉学部, 助教 (10448334)
古本 奈奈代  徳島文理大学, 人間生活学部, 教授 (90238692)
研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2014-03-31
キーワード日本
研究概要

母乳育児を継続するために、身近な育児支援者の夫のサポートが必要であるとと考えた。本研究は、その評価指標として、母乳育児を支援するために必要なサポートを提供側である夫と受容側である妻の両面から測定する客観的な尺度"カップルバージョン"を開発することである。今年度は、夫の提供側の尺度開発として文献検討と妻の受容側の尺度開発として母乳育児自己効力感が低い女性でも夫のサポートがあれば母乳育児を継続できるという仮説を検証した。その成果は以下のとおりである。1.夫の提供側の尺度開発として、文献検討を実施した。2000―2011年のデータベースで、PubMedでは英語の記載を条件としキーワード「breastfeeding」「support」「partner」(in title/abstract)で検索し、医学中央雑誌Web版(以下、医中誌)ではキーワード「母乳」「夫(配偶者)」「サポート」で検索した。夫のサポートは母乳育児の促進に重要な要因であり、母乳育児の継続に夫の関わりは必要であることが明確になったが、どのような夫のサポートが必要であるかは具体的に明確になっていなかった。2.妻の受容側の尺度開発として母乳育児の継続に必要な夫のサポートを明確にするために、『母乳育児自己効力感(SE)が低い女性では夫のサポート量が多いと母乳育児は継続するという』仮説を検証した。産後1か月時に母乳育児自己効力感の合計点の平均の40パーセンタイル以下の母乳育児SEが低い女性25名を分析し、母乳群11名、混合群は14名であった。産後1か月時の「情緒的サポート」と産後3か月時の「情緒的サポート」と「手段的サポート」に有意差があり母乳群が高かった(p<0.05)。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

夫の提供側の尺度開発としての文献検討の結果、母乳育児の継続に必要な夫のサポートの具体的な内容は明確になっていなかった。この文献検討の結果については、第25回日本看護研究学会中国・四国地方会学術集会で「母乳育児における夫のサポートに関する研究の動向」と題して発表した。そして、母乳育児の継続に必要な提供側の夫のサポート内容を明確にするために、母乳育児を継続している女性の夫を対象にインタビュー調査を行っている。現在3名の研究対象にインタビューができており、内容を分析している。 妻の受容側の尺度開発として、アンケート調査で母乳育児自己効力感が低い女性でも夫のサポートがあれば母乳育児を継続できることを明確にした。母乳育児の継続は母親の母乳の心理的要因が大きく影響するが、産後1か月時の夫の「情緒的サポート」と産後3か月時の夫の「情緒的サポート」と「手段的サポート」があれば、母乳育児の継続ができる可能性があることが示唆された。この結果については、第37回日本看護研究学会学術集会 で「母乳育児セルフエスティームが低い女性における母乳育児継続に必要な夫のサポート」と題して発表した。

今後の研究の推進方策

次年度は、夫の提供側の尺度開発として母乳育児をしている女性の夫の質的調査から、夫が提供するサポート内容を具体化する。そのために質的帰納的研究で「母乳育児に必要な夫のサポート」の提供側のサポートのカテゴリーが飽和状態になるまで、今後研究対象者数を増やしていく。夫の提供側の母乳育児に必要な夫のサポートの現象を解明して、測定用具の構成概念を検討する。妻の受容側の尺度開発として、妻が認識する夫のサポート内容(研究者の質的研究結果)の構成概念を検討する。妻が認識する夫のサポート内容と夫が提供するサポート内容の構成概念の照らし合わせをおこない、カップルバージョンの項目を精錬する。最終年度は、母乳育児の継続に必要な夫のサポートのカップルバージョンの項目を専門家会議・パイロットスタディによる内容的妥当性の検討をおこない、プレテスト実施後項目分析・因子分析により質問紙調査の項目を選定し、母乳育児の継続に必要なサポート・カップルバージョン尺度の原案を作成する。

次年度の研究費の使用計画

質的調査と量的調査を行うために、調査現場までの旅費や調査に必要な物品(ICレコーダー・プリンター・USBメモリー・封筒・切手・用紙等)、調査結果を分析するためにデータ・資料整理のためにアルバイト、資料や参考図書の購入、文献の取り寄せ、調査結果を論文投稿費用、英語論文作成費用、研究結果を国内外で発表するために共同研究者3人の旅費を予定している。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2012 2011

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 「母乳育児における夫のサポートに関する研究の動向」2012

    • 著者名/発表者名
      森脇智秋、川西千恵美
    • 学会等名
      第25回日本看護研究学会中国・四国地方会学術集会
    • 発表場所
      広島大学
    • 年月日
      2012年3月4日
  • [学会発表] 「母乳育児セルフエスティームが低い女性における母乳育児継続に必要な夫のサポート」2011

    • 著者名/発表者名
      森脇智秋、川西千恵美
    • 学会等名
      第37回日本看護研究学会学術集会
    • 発表場所
      パシフィコ横浜・会議センター
    • 年月日
      2011年8月6日

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公開日: 2013-07-10  

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