【1】医療機関における児童虐待・DV・性暴力被害者に対する看護ケアの実態調査-主に産婦人科、小児科の診療を行う医師に対する調査-」質問紙調査の実施した。研究目的は、子ども・女性に対する性虐待・性暴力の治療ケア経験を持つ小児科医師および産婦人科医師を対象として看護師による暴力被害者ケアに関する経験の内容、看護者による被害者ケアについての考え方、要望等を明らかにすることである。方法は福岡県内において小児科・産婦人科を標榜する病院・クリニックに勤務している医師対象とした質問紙調査。倫理的配慮として、倫理審査受審後、研究説明書(研究目的、自由参加であること、無記名および統計解析による匿名性の確保の説明)・調査票を郵送し、回答をもって同意を得たものとした。結果は、回答数172(回答率17%)。「助産師は内診して膣内帯下や子宮頸管粘液中の精子の有無が判定できるほうが望ましい」、「性暴力対応はチームで行うべき」、「病院をあげて教育を行うべき」などの意見がある一方で「」医療職は深入りしない方がいい」という意見もあった。 【2】「性暴力司法看護に必要とされる性暴力被害者支援コンピテンシーについて-刑事裁判プロセスにおける専門家としての証言能力に焦点を当てて-の論文発表:国内外の文献レビューを行い論文にまとめた。看護専門職として証拠能力のある証言を行うためには、裁判制度について理解し公判準備を十分に行うこと、事実について答えること、専門用語と定義に精通し説明できること、信頼感を得られる態度で臨むこと、などが必要であることが明らかになった。 【3】DV・児童虐待、性暴力被害者に対する司法看護技術向上のための看護者教育モデル構築(基盤C、研究課題番号:24593422)の共同研究者と連携し「子どもと女性の虐待看護学研究会」の立ち上げ及び「子どもと女性の虐待看護学研究」第1巻(2014.4)を発刊した。
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