研究課題/領域番号 |
23660095
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
登坂 祐明 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (10592371)
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研究分担者 |
森 祥子 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (40581335)
水渓 雅子 日本赤十字豊田看護大学, 看護学部, 教授 (20115637)
橋本 容子 愛知淑徳大学, 心理学部, 助教 (20585228)
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キーワード | 地域精神医療 / 精神医療改革 / アウトカム指標 / 脱施設化 / 精神障害者 / 社会的入院 |
研究概要 |
2013年6月28日に「名古屋大学医学部生命倫理審査委員会疫学研究専門審査委員会」より倫理審査の承認を受け、同年9月に全国の「障害者総合支援法(旧障害者自立支援法)による指定障害福祉サービス事業者」及び「介護保険サービスを提供する事業所」に勤務する医療従事者(目標数)800名とそのサービスを利用する精神障害者(目標数)800名を対象したアンケート調査(調査書類は全国の対象事業所1000件に発送)を実施。翌月の10月31日を締切として調査協力を求めたが、回収率は10%前後となり、「当事業所に、調査の対象に該当する者がいない…」と無記入のまま転送された調査書類が80件余りもあった。さらに、研究代表者にあった問い合わせでも、「私達は医療者ではないが調査の対象になるのか?」「うちの事業所は、認知症の人達や知的障害者を対象としているので、該当しないのではないか」といった確認があり、調査の依頼文や研究課題名に「地域精神医療に携わる医療従事者…」とあるところが“当事業所は調査対象外”という誤解を招き、回収率の低下に結びついたように思われた。これらの状況から、当初の目的に添った研究成果や分析精度を高める為にも、問題点を修正して再調査を行う必要があると考え、上記の「倫理審査委員会」に計画期間の延長などの変更を求める申請を行うと(2014年3月24日承認)同時に、日本学術振興会にも補助事業期間延長の申請を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本来なら、回収されたデーターをもとに解析を行い研究成果を学術的な場で発表したいと考えていた時期なのだが、目標をかなり下回る質問紙調査の回収率に驚き、調査書類の作成においては、丁寧かつ慎重な取り扱いに努力したつもりではあったが、依頼文などに記載する表現が、医療とか福祉などの異なる領域に、共通した理解が得られるものか否か…についても十分に検討する必要がある…ということを痛感させられる結果ともなった。このような点も含めて沢山の学ぶ機会を得ることができたが、同時に、様々な方々に迷惑をかけてしまったことも事実で、反省している。
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今後の研究の推進方策 |
当初予定していた関連事業所の見学や海外視察などを取りやめ、それに割り当てていた予算を二度目のアンケート調査に割り当てる。そのうえで、上記の反省点を踏まえて、調査依頼文などの内容を修正して、対象とした事業所が「当方は該当しない…」と誤解しないようなものに変更し、8月~9月までに二度目の調査用紙発送の手続きができるように進める予定。対象を選択する上で利用するリストは、前回の調査で利用したデータベースを使用して、先回発送した事業所1000件を除外したものから、無作為に前回と同様に1000件を抽出する。12月末までにデータの解析作業を進めて、年度末までに調査結果をまとめる。
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次年度の研究費の使用計画 |
・質問紙による調査の回収率が10%前後となり、再調査(依頼文などの修正をしての)の必要性が出てきたので、事業所などの施設見学や海外視察を取りやめる事とした為、割り当てていた予算が残った。 ・二度目の質問紙による調査を行う為の予算を中心に組み立て、残高に余裕があれば、地域医療が実際に行われている場所を視察する為の旅費などに割り当てる。
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