研究課題/領域番号 |
23660096
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研究機関 | 大阪医科大学 |
研究代表者 |
吉田 久美子 大阪医科大学, 看護学部, 教授 (40259388)
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キーワード | 子どもの虐待予防 / ネットワークの構築 / ネットワークの評価 / ヘルスプロモーション |
研究概要 |
子どもの虐待予防対策には、被虐待者である子どもと虐待者に対して、発生予防と早期発見・早期対応、保護・支援の切れ目のない総合的支援となって行われることが不可欠である。子どもに関わる関係機関のネットワークに住民代表を加え、住民と協働することで子どもの虐待予防の効果的なネットワーク構築の方法論を探求する。平成10年から市が中心になって立ち上げたネットワーク会議の中において、虐待の事例検討と要因の分析を積み重ねることで、必要な人材や社会資源が明確になり、必要な人材や関係機関が会議に参加していた。ネットワーク会議の中では、常に予防対策を考える視点を持ち、各機関が一次予防や子育て支援の中に虐待予防の事業を組みこんでいた。母親の自主サークルを増やし、サークルのネットワーク化を図った。その代表者とPTA代表者に会議に参加してもらった。今年度は、これまでのネットワーク会議の中で、住民代表者の果たした役割について、代表者および関係機関の協力者からインタビューを実施し、KJ法にて分析を行った。その結果、住民代表者は、虐待の知識や理解の深まり、子どもの人権の大切さ、自分たちのできること、子どもの見守り、親への寄り添い、虐待予防の視点、虐待事例の介入の難しさがあった。関係機関からは、子どもや親の視点に立った意見や質問、地域の生活にあった援助方法、住民と協働する責任があった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
子どもの虐待予防ネットワークと要保護児童対策協議会の整合性の検討がされ、新たな参加者募集が遅くなった。既に、参加していた子育てサークルのネットワーク代表者とPTA代表者に会議に参加してもらった。今年度は、これまでのネットワーク会議の中で、住民代表者の果たした役割について、代表者および関係機関の協力者からインタビューを実施し、KJ法にて分析を行った。その結果、住民代表者は、虐待の知識や理解の深まり、子どもの人権の大切さ、自分たちのできること、子どもの見守り、親への寄り添い、虐待予防の視点、虐待事例の介入の難しさがあった。関係機関からは、子どもや親の視点に立った意見や質問、地域の生活にあった援助方法、住民と協働する責任があった。
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今後の研究の推進方策 |
個別インタビュー数を増やしていくことで、ネットワークが活性化する要因を検討する。 (1)子どもの虐待防止ネットワークに参加しているメンバーが集まり目的の共有化を図る。①子どもの虐待防止ネットワークに参加しているメンバーが自らの問題を認識しているか、QOLや生活状況を主観的にどうとらえているかをノミナル・グループプロセス法にて事前評価する。②事例検討や既存資料から地域にある問題やニーズの、社会指標やデーターを分析し、主観的データーを確認する。③そのニーズの推定要因や望まれる目標の決定要因の裏付け、目標や目的を明確にして優先項目を決定する。④介入モデル地域を決定する。(2)子どもの虐待防止ネットワークで、子どもが健やかに安全に暮らせるまちの条件を考え、それを実現するために必要な条件を話し合い提案する。(3)子どもの虐待防止ネットワークで理想の条件を整えるために、機関が何をすべきか考え、具体的な目標策定と社会資源の開発検討を行う、具体的な評価指標を検討する。(4)地域おける子どもの虐待予防に必要な具体的な行動計画書を作成する。(5)関係機関で子どもが健やかに安全に暮らせるまちを達成するための条件を考える。 (2)平成10年子どもの虐待予防ネットワーク会議から、平成22年度までの会議のアウトカム評価、プロセス評価、ストラクチャー評価とネットワーク会議において、各組織と住民への波及効果と参加者の自主的な活動を支える条件を探るために、ネットワーク会議参加者へ半構造的面接を実施し検討したことを報告書にまとめる
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次年度の研究費の使用計画 |
子どもの虐待予防ネットワークと要保護児童対策協議会の整合性の検討がされ、新たな参加者募集が遅くなったため、今年度は会議の開催が遅くなった。そのため、昨年度の予算の未使用があった。今年度は、調査研究地に集中的に滞在して会議等に取り組むよていのため、旅費と会議費用、研究協力者に対する謝金を中心に執行する予定である。 物品費要200,000、旅費 200,000、人件費・謝金 300,000 その他 300,000
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