研究課題/領域番号 |
23660097
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研究機関 | 滋賀医科大学 |
研究代表者 |
上野 善子 滋賀医科大学, 医学部, 講師 (00526791)
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研究分担者 |
畑下 博世 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (50290482)
戸田 八津子 (金城 八津子) 滋賀医科大学, 医学部, 助教 (20548193)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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キーワード | 地域支援 / サブスタンス・アビューズ / 薬物依存 / 米国ハワイ州 / 児童虐待 |
研究概要 |
平成23年度は本研究計画に沿って、以下の研究を行った.1)日本での活動について:滋賀県におけるサブスタンス・アビューズの問題の支援組織および精神保健センターが主催する家族会に参加した。地域で実施されている活動に参加することは、依存症を持つ家族への支援組織活動の手法を学ぶとともに、ニーズの把握と課題明確化の目的で重要な位置づけであった。2)アメリカ合衆国におけるサブスタンス・アビューズの問題について、ハワイ州オアフ島、マウイ島の施設にて視察調査を行った。調査実施にあたっては滋賀医科大学倫理委員会へ申請し、許可を得た。調査実施期間は2012年8月6日~19日(14日)である。この間、調査を実施して同意書が得られた施設はオアフ島にて4件、マウイ島にて2件であった。また、インタビューをすることはできたが同意書が得られなかった施設が3件、日程調整がつかない施設が7件あった。3)インタビューで得られた結果と考察:インタビューでは、概ね当初目的である施設運営の現状と課題についての情報が得られた。本研究で得た米国での活動形態の基盤または支援組織は非営利で行う民間施設が殆どであり、日本のように公的期間がサーヴィスを提供している訳ではない。従って予算配分は年度単位で政府や企業への補助金申請を行い活動資金を確保して支援を提供しているため、活動内容は申請内容に沿って行われるため申請が支援存続の重要な位置を占めている。政府からの委託業務という方式をとっているため、実施した内容については単年度ごとに報告を行っている。サーヴィス提供は民間施設が実施しているが、公的補助による委託業務という性質上、サーヴィス利用(提供)料は殆どが無料である。従って、施設運営は補助金を得る事が活動のための重要な鍵となるため、広く公共に対するニーズに応じた活動を提供する事とサーヴィスの必要性や目的を明確にすることが重要である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成23年度計画は本研究計画に沿って、海外調査は概ね到達することができたといえる。しかし、そもそも国内での研究実践については、本務が優先されるという理由から継続することは大変厳しい状況であった。1)日本での活動について:滋賀県精神保健センターが主催する家族会には継続的に研究参加する予定で計画し、県も大変協力的であり順調であった。しかし、講座の本務がまず優先されるため研究を継続する事が難しく、家族会等の研究も断念せざるを得ない結果となったが、滋賀県での一定の成果は得られたと言える。2)米国での調査についてはハワイ州オアフ島、マウイ島の施設にて実施することができた。当初、研究代表者のコネクションを利用して計画しているため、現地では事前段階から相当な協力が得られていた。しかし、そもそも研究以前に日本での本務がまず優先されたことと、共同研究の事前準備時間を確保することが相当難しく、更に現地での調整後も直前に多くの変更点を指摘されるなどの状況が重なり、日本での充分な調査準備ができていたとは言えない状態のまま海外調査を実施しなければならなかった。調整不足のため同意が得られなかった一因としても考えられ、計画当初の予定には届かなかったが、一定の成果はあげる事ができた。3)インタビューで得られた結果:結果は学内紀要において海外報告として公表した。
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今後の研究の推進方策 |
本研究は研究者全員が転・退職したため、当初の目的による研究の継続は難しくなったため、やむを得ず廃止することとする。
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次年度の研究費の使用計画 |
本研究における平成24年度の資金は返還手続きを速やかに行う。
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