研究課題/領域番号 |
23660103
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研究機関 | 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所) |
研究代表者 |
千葉 由美 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究員 (10313256)
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研究分担者 |
平野 浩彦 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 専門副部長 (10271561)
黒岩 厚二郎 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究員 (50260287)
荒木 厚 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究員 (60539196)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 高齢者 / 栄養療法 / 帰結 / 経口摂取 / 静脈栄養 |
研究概要 |
高齢者への栄養法の選択の検討を行う際、基礎疾患や病期、全身状態、療養場所、介護力などによって大きく影響する可能性がある。また栄養管理法の違いは生命予後といった効果指標との関連が一部で示されている。高齢者における栄養管理の内容を整理するために文献検討を行った。文献検索はPubmedを用い「Nutrition」「Elderly」の2語検索をした。58,000件以上見られたことから「Guideline」「Clinical guideline」で制御し103件であった。関連するもののみを抽出し、内容を整理した。対象の特定要因として疾患(がん、心臓呼吸器系、すい臓、肝臓など)、病期(急性期、慢性期)に関して分類されたものが多く、経口摂取法、あるいは経口摂取法の推奨レベルが病気の種類によって明確に異なっていた。これは病気の種類によって炭水化物や糖、脂肪代謝のメカニズムなどが明確であるということが一つにあげられる。同時に長期の非経口摂取の弊害などは栄養素の偏りなどで示されていた。さらに対象の特定要因には、薬剤、社会経済性、民族、人種などの他、療養施設(集中治療室など)などがあった。介入内容として疾患マネジメント、リスクの減少、栄養補助剤など、効果指標として栄養素(マクロ-マイクロ)、低栄養、体重減少、罹患率、死亡率、機能状態、QOL、合併症などが多くを占めており項目は多様である。特に高齢者の低栄養に関しては一時的な経管栄養の利用が有効であり、栄養状態の指標が改善したら基本的には経口摂取を推進するのが一般的な推奨内容であった。高齢者における栄養法を考慮する際、栄養状態や死亡率は一般的な効果指標として有効と考えられる。しかし経口と非経口の違いや問題は治療以外の要因によって生じている可能性が高いことが示唆されており、帰結評価の際には療養経過のこれらの要因の関わりや分析が必要である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は、文献検索を中心に実施した。栄養療法に関するガイドラインが示されていることから、高齢者に関連する内容を整理することに時間をかかっている。インタビュー調査は、補完的な意味で実施する予定であったが、ガイドラインや文献の検討から課題となる点や示唆される内容も多かったことから、その作業は次年度以降に行うこととした。
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今後の研究の推進方策 |
高齢者の栄養療法選択に関して、全国調査を実施する予定である。さらに文献検討を進め、具体的項目と有識者からの専門的意見を聴取したいと思っている。全国調査の対象は、介護老人保健施設あるいは介護老人福祉施設のいずれかを検討している。調査内容は、栄養管理に関する内容の他、管理体制や患者安全管理についても精査したい。
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次年度の研究費の使用計画 |
調査費用として用いたい。対象施設:介護老人保健施設(3,865)あるいは介護老人福祉施設(6,464)(1/2抽出)約3000ヶ所。郵送費:48万(120円封書、ただし回収数は、約1000施設で計算)入力費:100万(1000/件で計算)人件費:30万その他消耗品など10万
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