=研究対象= A地区のフィールドBにおいて、ビデオ撮影終了後においても、参与観察を行い、現場スタッフとデータセッションを行った。現場スタッフとのコミュニケーションも図れ、信頼を深めることができた。現場スタッフとデータセッションを行うことにより、分析を行う上で、有用な情報も得られた。子育て支援現場における支援の様子や、母子の普段の様子や、かかわり方についての情報提供及び情報交換がなされた。また、研究会においても、ビデオデータを基にしたデータセッションが行われた。活発な意見交換が行われ、分析の精度を上げることにつながった。 =研究の成果= ①子育て支援現場における居場所作りとしてなされている工夫を発見した。 子供のトラブルである泣き出し状況について、泣いている子の母親が、子が泣いていることをあえてトラブル視せず、高度なコミュニケーションをとっていることが確認できた。②母と子のジャンプ遊び場面では、母と子だけでなく周りの母や子供やスタッフとの相互行為が見て取れた。③総じて、子育て支援現場において起きていることの多様さが判明した。子育て支援現場においては、母子の仲間づくりと居場所づくりが、ゆるやかなつながりの中で、行われており、それらは、子育て支援現場特有の特徴的なものである可能性が示された。ビデオ撮影を行うことにより、見過ごしてしまいそうな現象を捉えることができた。また、ビデオデータを繰り返し見ることが可能であるため、子育て支援現場の興味深い相互行為場面の発見につながった。
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