研究課題/領域番号 |
23660107
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研究機関 | 岐阜県立看護大学 |
研究代表者 |
石川 かおり 岐阜県立看護大学, 看護学部, 准教授 (50282463)
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キーワード | 精神看護 / 長期入院患者 / 退院支援 / 専門職連携 / 家族 |
研究概要 |
①国内フィールド調査 精神科長期入院患者の退院支援における連携のグッドプラクティスを明らかにする目的で、国内で先駆的な実践活動を行っている2か所でインタビュー調査をした。山陰地方Aでは、精神科病院看護部長1名、地域相談支援専門員1名、精神保健福祉士1名、退院調整看護師2名、受け持ち看護師1名、デイケア看護師1名、作業療法士1名の計8名を対象とした。四国地方Bでは、精神科病院院長1名、精神科病院看護部長1名、精神科病院外来看護師2名、精神科病院保健師1名、精神科病院看護師長1名、グループホーム精神保健福祉士1名、地域活動支援センター精神保健福祉士1名、小規模多機能型居宅介護事業所管理者1名、デイサービスセンター管理者2名、デイサービスセンター生活相談員1名、NPO法人理事2名の計14名を対象とした。現在はデータの整理と読み込みが終了し、各フィールドの特徴とグッドプラクティス抽出の分析作業中である。 ②国外フィールド調査 米国The Villege Integrates Services Agencyにて調査した。カリフォルニア州とロサンゼルス郡における精神医療福祉の概要、personal servise cordinator、life coach、地域統合スペシャリストと呼ばれる各スタッフの役割とスタッフ間の連携、ピアサポーターの活動、プログラムの成果と評価、スタッフ間およびスタッフー利用者間の倫理的ジレンマや意見対立の解消について情報収集した。また、利用者3名からスタッフとのパートナーシップとリカバリー達成について話を聴き、personal servise cordinatorのアウトリーチで利用者6名への地域生活支援場面を観察した。現在データの整理が終了したところである。 ③平成23年度の成果報告 平成23年度実施のインタビュー調査の分析を精錬し、国内外の関連学会で発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
国内フィールド調査は、当初予定よりも早い時期にデータ収集をすることができたが、データ量が膨大となったため、データの整理と読み込みに当初予定よりも時間がかかってしまった。当初の予定では年度末までにグッドプラクティス抽出の分析作業を終了する予定であったが、間に合わず現在も分析作業を継続しているところである。なお、所属機関での欠員に伴い、研究者の本務業務量が増加し、研究時間の捻出に苦慮した点も理由として挙げられる。 国外フィールド調査については、当初の予定通り12月に実施することができた。データの整理・まとめ等は平成25年度にかけて実施する予定であったため、概ね予定通りであった。 平成23年度のインタビュー調査について分析を行い2件の学会発表を実施することができた。
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今後の研究の推進方策 |
①平成24年度国内フィールド調査のまとめ・報告:平成24年度の国内フィールド調査の分析をすすめる。質的分析のため連携研究者との会議を開催し、分析の精錬を行う。その成果を学会発表や論文等で公表する。 ②平成24年度国外フィールド調査のまとめ:平成24年度の国外フィールド調査のデータの整理とまとめを実施する。 ③研究全体の統合:平成23年度の成果である連携・協働の困難要素と、上記①および②から見出される連携・協働のグッドプラクティスの要素とを比較検討しながら、わが国における既存の連携・協働の方法論と課題を明確にする。さらに、構造構成学的視点からの検討を加え、患者‐家族-多専門職が効果的に連携するモデル案を構築する。これらの作業を連携研究者と協力して実施する。
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次年度の研究費の使用計画 |
直接経費506,140円の使用計画内訳 ・物品費:書籍、消耗品等 56,140円 ・旅費:補足のデータ収集(国内)100,000円、国外成果発表 250,000円 ・謝金:研究補助者への謝礼 20,000円 ・その他:テープ起こし、英文校閲費等 80,000円
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