1)平成24年度にデータ収集した長期入院患者の退院支援における連携に関する国内フィールド調査(2ヶ所)の分析・まとめ: 効果的な専門職連携の要素として①チームで共有される理念、②チームの構造、③メンバーの自律性と相互補完、④フォーマルな会議、⑤インフォーマルな小ミーティング、⑥支援上の停滞・困難への対応、⑦チームのコミュニケーション、⑧チーム内の相互作用、⑨管理者による支援、⑩スタッフの専門職連携教育、⑪日常的な協働と交流⑫地域での専門職連携の長期的な積み重ね、の12点が明らかとなった。 2)平成24年度にデータ収集した海外フィールド調査(米国ヴィレッジ)の分析・まとめ: 活動における専門職連携の要点として、①理念・基本方針の共有(相互支援、個別的なサービス、自己決定の徹底、ストレングスへの焦点化、希望の維持、ハイリスク+ハイサポート、ソーシャル・インクルージョン)、②ネイバーフッドチーム(顔見知り、お互いを良く知っている)、③小ミーティングとスタッフ会議の実施、④チームの自律性、⑤スタッフとメンバーの協働、⑥各スタッフの役割(専門性)の明確化、⑦活動の成果と評価の重視、⑧チーム支援の利点(他スタッフからのサポート、新しいアイディア、倫理的ジレンマの解消、メンバー間のエンパワメント、重責の分散)が明らかとなった。 3)研究全体の統合: 連携研究者と共に、平成23年度成果である長期入院患者の退院支援における連携上の困難の要素と上記1)と2)に示した結果を比較検討し、精神科長期入院患者の退院支援を行う看護師が、患者、家族、多専門職種と効果的に連携するためのモデル案を検討した。病棟で退院支援を実践する看護師向けのリーフレットを作成するために、掲載内容の精錬を行った(今後リーフレット案について退院調整看護師や病棟看護師等から意見をもらい、更に精錬する予定である)。
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