研究概要 |
2012(平成24)年は、昨年度、20名のステークホルダーの面接調査から作成した『イ国の看護・助産モデル』を、9月にイ国で、情報提供したステークホルダーとのワークショップを開催し、前年の面接調査の分析結果の妥当性を確認した。さらに、看護・助産強化モデル試案の意見を聴取した。ワークショップには、保健省、看護協会、助産師協会、看護教育者・カウンターパートの施設長が参加した。ワークショップでは、情報に関して同意を得た。議論された課題は、助産師の質向上の課題であり、地域母子保健で大きな役割を担っているが、高等教育に位置づいていない点であった。助産師協会からは強く助産師の質の向上のため、高等教育への移行の希望が述べられた。問題としては、長く専門学校の教育であったため、高等教育機関で教授できる教員が育っておらず、歴史的・文化的な背景もあり、今後の継続課題であることが確認された。 追加調査として、1)地域看護学における地域母子保健と新たな問題である非感染省(生活習慣病)予防の体制と現状、および、2)高等教育における、基盤看護学でのヘルスアセスメントあるいは生理学の教育法の学習ニーズの調査を行った。地域保健に関して、西ジャワ州の高齢化や非感染症は増加傾向であるデータにより確認した。しかしながら、地域住民のヘルスニーズの調査はされておらず、今後、evidence-basedで、地域住民ニーズにあった地域看護強化の教育が構築される必要が示唆された。 2)高等教育の教育法に関しても、今回、基盤看護学の領域で、学生の教育ニーズを探索したが、生理学の学習は講義だけでなく、Group-based Learningの方法を用いての学習に対し学生の満足度は高い結果となった。現在、イ国において看護に於いては、高等教育化が進行している。教育方法等の改革が必要であることが示唆され,今後も研究を継続してゆく。
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