研究課題/領域番号 |
23660117
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研究機関 | 日本赤十字豊田看護大学 |
研究代表者 |
長江 美代子 日本赤十字豊田看護大学, 看護学部, 教授 (40418869)
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研究分担者 |
服部 希恵 日本赤十字豊田看護大学, 看護学部, 研究員 (00310623)
岩瀬 貴子 日本赤十字豊田看護大学, 看護学部, 講師 (80405539)
古澤 亜矢子 日本赤十字豊田看護大学, 看護学部, 講師 (20341977)
石黒 千映子 日本赤十字豊田看護大学, 看護学部, 講師 (80315895)
田中 敦子 日本赤十字豊田看護大学, 看護学部, 研究員 (70398527)
中村 千鶴 日本赤十字豊田看護大学, 看護学部, 助手 (90449497)
安藤 智子 日本赤十字豊田看護大学, 看護学部, 助手 (90583055)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 自殺予防 / アウトリーチ / メンタルヘルス / 支援ネットワーク |
研究概要 |
本研究の目的は、自殺の早期予防介入として、人々が気軽に立ち寄り利用できるメンタルヘルス支援ネットワークに必要な内容を明らかにし体系的な支援体制を構築すること、およびその効果を実証的に評価することである。計画に基づいて研究を実施し、平成23年度は以下の成果を得た。1.「街角メンタルヘルス」の受付拠点を都心部のサテライトキャンパスに開設した。2.各機関を訪問し、地域の関連健康医療福祉機関との基本的なネットワークを準備した上で、チラシや大学ホームページで一般住民に相談サービスの提供を知らせるとともに研究協力を依頼した(H24.2.1より)。3.H.24年2月より常駐スタッフにより相談予約を受け付け、専門看護師/臨床心理士が相談や支援活動を実施しながら、研究協力に承諾がえられた利用者に対して質問調査票を用いて利用者のニーズを把握している。*対象とする利用者:以下に該当する20歳以上の成人(学校・職場でのストレスや人間関係の悩みがある;自分自身の、あるいは家族の健康問題に関する悩みやストレスがある;家庭の問題に関する悩みやストレスがある;最近衝撃的な経験をした(災害、事故、犯罪被害、家族や友人の死など);その他、悩みがあるがどこへいったらよいか、またどのように説明したらよいかわからず迷っている*実施内容:質問調査票を含めたニーズアセスメント、カウンセリング、コンサルテーション、紹介 1)実績:現在3か月間で8名(女性)の相談を受け、フォローアップ面接を含め、延22回の面接を実施し、DV・発達障害・心療内科への紹介した。2)女性の相談者が多いためフェミニストカウンセラー(石田ユミ)のスーパービションをうけ、相談業務の質向上につとめた。返送された質問紙(初回8名、フォローアップ3名)の評価では9割以上が「とても満足」と答えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
H23年度の計画は以下であったが予定通りすすみ、現在支援活動を週に1回のペースで実施している。これまでに達成した内容:1.メンタルヘルス支援ネットワークの基礎をつくる。2.サテライトキャンパスで、予約や相談を受け付けられるように施設を準備する。3.一般住民に「街角メンタルヘルス」の支援活動開始を知らせるとともに研究協力を依頼する。 各機関を訪問し直接説明することで理解が得られたため、ネットワークの基礎は時間とともに準備を整えることができた。支援開始とともに、予想より多くの相談が電話とメールがあったことはニーズの高さが伺われた。5名の面接員のうち4名が実際に相談に当たり、迷うケースや困難なケースについては、Skypeを活用してケース検討を行い、支援内容の一貫性と質の向上をはかった。スタート当初は「つなぎ」としての役割意識がうすかったが、現在では明確になり支援そのものは順調である。 現在まで受け付けたクライエントは全員女性であったが、これは面接員が女性のみであることが影響している可能性がある。 相談内容は暴力被害をふくめて複数抱えているクライエントが多い。公的機関や既存の支援機関では対応できない内容であるためのニーズであることが考えられる。分析を丁寧に行いニーズを明確に特定する必要がある。また、現在支援していくなかで、今ある資源で、できるだけの対応をするための「つなぎ」を具体的に検討する必要がある。
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今後の研究の推進方策 |
今後は支援活動を継続し、以下のステップで研究を進めていく。1.質問調査票と利用者のニーズを特定し、支援のあり方を明らかにする:質問調査票の集計と分析、ケース検討の総合的な分析、上記の分析結果より利用者のニーズを特定する。2.特定されたニーズに基づきメンタルヘルス支援ネットワークシステムを構築する:システムを構築しアウトカムと評価方法を検討し決定する、「街角メンタルヘルス」の活動を継続し、定期(1回/月)の経過報告とケース検討会議の他にも適宜討論の場を持ち、活動を評価・修正しながら整えていく、国内開催の学会で成果発表する。3.メンタルヘルス支援ネットワークシステムを、評価・修正しながら整える。
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次年度の研究費の使用計画 |
H24年度活動内容:1)ヘルスケアプログラム継続実施のための消耗品などを整備する。2)調査の打ち合わせケース検討を行う。3)スーパービジョンを受ける。4)調査データ管理と分析を行う。5)研究成果を発表する。H24年度所要額 合計660000円物品(90000)プリンタトナー、用紙、スクリーニング用スケール含む文具一式、DVDディスク・メモリースティック他コンピュータメディア旅費(120000)会議(打ち合わせ、ケース検討)12回分、成果発表謝金(60000)研究協力(専門家)謝金/その他(390000)会議費、通信費、印刷費、受付人件費
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