研究分担者 |
服部 希恵 日本赤十字豊田看護大学, 看護学部, 研究員 (00310623)
岩瀬 貴子 日本赤十字豊田看護大学, 看護学部, 講師 (80405539)
古澤 亜矢子 日本赤十字豊田看護大学, 看護学部, 講師 (20341977)
石黒 千映子 日本赤十字豊田看護大学, 看護学部, 講師 (80315895)
田中 敦子 日本赤十字豊田看護大学, 看護学部, 研究員 (70398527)
坪ノ内 千鶴 日本赤十字豊田看護大学, 看護学部, 助手 (90449497)
佐藤 仁和子 日本赤十字豊田看護大学, 看護学部, 助教 (00639544)
安藤 智子 日本赤十字豊田看護大学, 看護学部, 助手 (90583055)
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研究概要 |
【質問調査票の集計と分析】研究参加者:2012.2~2013.3までに受付30名うち26名について集計し分析した。女性25名男性1名:平均年齢55歳(範囲20~63);コンタクトは電話(13),メール(10),スタッフに直接(3);繋ぎ先カウンセリング(13)クリニック(9),元々の受診先(4),その他支援機関(5);街角での繋ぎのための面接回数1回(14),2回(9),3回(1),キャンセル(2)。電話の受付対応と面接員の面談について全員がとても満足からやや満足と答えた(早い対応、話しやすい、じっくり聞いてもらえた、こころが軽くなった、整理できたなど)。 相談内容の特徴:精神身体的疾患が背景(13):親への病気の告知について,妻の妄想,職場の人間関係(盗難の噂をされている),悩みを相談したい。付きまとわれている,彼や両親に攻撃的になるため周囲に心療内科に行くよう勧められた。;DVや虐待などの家庭内暴力が背景(9):26歳の息子の事(ひきこもり、暴力),母親が父親からDVを受けている,(娘)DVを受け入れない娘のメンタル,夫の精神的DV ,病気や夫婦関係など慢性的悩み,DV夫と別居し働き始めたら続けられなくなった,子どもにイライラ「あててしまう,DVで一歳半の娘を連れて実家へ逃げてきた,職場のハラスメント,性同一性障害,暴れる甥のこと、財産を取られる; 人生のたてなおし(6):長年心に蓋をしてきた気持ちのわだかまりを全部出したい, いろいろゴタゴタを抱えてどうしてよいか分からない,自分を立てなおしたい,いろいろ抱えているが、これからの自分の人生に折り合いをつけたい,自分の人生を生きなおしたい,人とのつながりがほしいけどこわい。何でも話せる友人がほしい。 心理・社会・経済的な複数の問題がからみあっている。ケース検討の総合的な分析より、具体的な支援の課題とニーズが浮かび上がった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
【支援の課題とニーズ -ケース検討の総合的な分析より-】いずれも心理・社会・経済的な複数の問題がからみあっている。DVや虐待は全体の背景にあり、最終的には根本にある処理されない自身と親との関係が浮かびあがってきた。 1)複合の問題に対しては、段階的、多面的支援が必要、就労支援の前に“こころのケア”への配慮が必要、経済的支援が重要, 2)子どもにあらわれる問題で「おわらない」過去にならないDV, 3)複雑性PTSDの理解が不可欠(自ら支援につながることができない状況に対して「申請」を前提とした行政の支援の在り方への疑問)。 【ネットワーク】基礎的なネットワークができ、スタートした後はつなぎ先からアンケートでフィードバックをもらい、街角クライエントのニーズに合わせて資源を開拓し、リストに追加してきた。健康医療福祉機関に出向き、直接話をすることで、理解を得た機関とのネットワークをつくったことで、小規模ではあるが有効な繋ぎにつながった。また、ネットワーク機関から5名の面接員によるアセスメントの質の高さを評価されたことが、ネットワークの広がりにつながった。迷ったケースについては、Skypeなどを活用してインターネットミーティングを実施し、面接員同士でサポートしあったことも質の保障につながったと考えられる。面接前にキャンセルとなった2名以外は、その後のフォローアップ(1,3,6,12か月)でその繋がりの継続を確認できている。反省としては、つなぎのため時間をかけて面接をするため、利用者にとって「カウンセリング」の期待を持たせてしまったこともあったことである。ミーティングを持ち、説明内容や、面接時の対応について適宜打ち合わせ一貫性あるものにする必要がある。地域の支援団体より、「街角メンタルヘルス」の活動について説明してほしいという依頼もあり、地域での連携が広がる可能性がある。
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