研究分担者 |
服部 希恵 日本赤十字豊田看護大学, 看護学部, 研究員 (00310623)
岩瀬 貴子 日本赤十字豊田看護大学, 看護学部, 准教授 (80405539)
古澤 亜矢子 日本赤十字豊田看護大学, 看護学部, 准教授 (20341977)
石黒 千映子 岐阜大学, 医学部, 准教授 (80315895)
田中 敦子 日本赤十字豊田看護大学, 看護学部, 研究員 (70398527)
坪ノ内 千鶴 日本赤十字豊田看護大学, 看護学部, 助手 (90449497)
佐藤 仁和子 日本赤十字豊田看護大学, 看護学部, 助教 (00639544)
安藤 智子 日本赤十字豊田看護大学, 看護学部, 助手 (90583055)
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研究概要 |
自殺予防のアウトリーチとして、人々が気軽に立ち寄り利用できる、メンタルヘルス支援ネットワークに必要な内容を支援活動の現状より明らかにした。アクションリサーチの手法を用いて、健康医療福祉支援ネットワークの対象となる地域住民を対象に、相談支援活動を展開しながら利用者とともにニーズを特定した。データ収集は、受付票を用いて利用者の年齢・性別・住居と職場の所在・主訴・相談対象者・コンタクトの方法について質問した。提供した支援内容と繋ぎの経過について、無記名の質問調査票を用いて利用者より満足度の5段階評価と自由記述による評価を得た。量的データは記述統計により、質的データは内容分析により、利用者の特徴・ニーズ・課題に焦点を当てて分析した。2012.2~2013.11の利用者40名について集計し分析した。平均年齢55歳(範囲20~70)。申込時の受付対応と面接員の面談について全員が“とても満足~やや満足”と答えた。相談内容の特徴(ニーズ):精神身体的疾患(16名),DVや虐待などの家庭内暴力(15名),人生をたてなおしたい(7名)。支援の課題:心理・社会・経済的な複数の問題をかかえ、就労よりも休養と治療が第一に必要な利用者は多いが、得られる経済的支援とともに複合問題に対処するためのつなぎは難しい。支援体制には:複雑性PTSDの理解が不可欠であり、自ら支援につながることができない状況に対して「申請」を待たずにアウトリーチが必要。複合の問題に対して段階的多面的支援が必要。認知の歪みは就労の継続を妨げるので、就労支援の前に“こころのケア”と経済的支援が重要。暴力の世代連鎖の現状は深刻であり、周産期への介入は必須。トラウマ(PTSD)治療の場が希少であり、精神科医、神経内科医との連携体制、他職種連携が必要。性暴力被害者に対する相談・治療・警察への通報といった医療・司法・行政にまたがる総合支援の充実は急務。
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