認知症状出現前の早期脳内変化を捉えるための認知機能検査の開発は重要な課題である。本研究でわれわれは、近赤外線分光法(NIRS)を用い認知機能に関連する大脳前頭前野の活動変化を可視化し、認知機能検査に活用可能な非学習系課題による活性化状態について検討した。非学習系課題のうち、口腔内ブラッシング、口腔内寒冷刺激やミントによる嗅覚・味覚刺激により、左前頭前野腹外側領域(VL-PFC,左こめかみ部分に対応する大脳皮質領域)等の機能局在部位が活性化することを見出した。これらの成果は、脳内変化を検出する認知機能検査システムにおける非学習系課題の同定と大脳の活性化状態に関する新たな知見を明らかにした。
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