研究課題
本年度は,昨年度までに開発した手法を実際の開発プロセスに適合させるための拡張と,開発者の行動に関する評価実験,一般的なソースコードに対する有効性を評価するための統計的調査の3つの取り組みを実施し,手法の有効性の向上と確認を行った.まず,ソフトウェア部品の効果的な検査方法として,昨年度開発したソフトウェア部品の差分を解析する手法を拡張し,複数のソフトウェア製品を相互に比較し,それら製品間の派生関係を可視化する方法の構築を行った.これにより,多数のソフトウェア製品群のソースコードから,相互に類似した製品に含まれるソフトウェア部品をまとめて分析することを可能とした.派生関係の検出精度に改善の余地はあるが,プロジェクト間でバグ修正を共有するなど,企業の開発現場で認識されている問題に近づいた手法へと拡張することができた.次に,ソフトウェアの検査を行う開発者が未知のソフトウェア部品の機能を正しく認識できるのか,企業の開発者の協力を得て実験を行った.その結果,確認するべきファイルの一覧と機能の名称を与えられた開発者は,ソースコードと機能との関係の有無をある程度の正確さで判断できることを確認した.このことから,異なる製品,部品群が与えられたとしても,開発者がそれらを同時に検査することは可能であると期待できる.最後に,データフロー解析によるソフトウェア部品の入出力の解析について,任意のソースコードを対象にした場合にどの程度の量の結果が出力されるか,統計的な性質の調査を行った.既存のプログラムスライシング技術で実施されていた評価実験の方式に従って,任意の地点からその入力データを列挙したとき,ソフトウェアのきわめて広範囲から入力を受け取ると判定される場合がまれに起こるものの,多くの場合は開発者が閲覧できる小さな出力を提示できることを確認した.
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (8件) 備考 (1件)
情報処理学会論文誌
巻: Vol.55, No.2 ページ: 971-980
http://id.nii.ac.jp/1001/00081300/
IEICE Transactions on Information and Systems
巻: Vol.E96-D, No.12 ページ: 2857-2859
10.1587/transinf.E96.D.2857
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http://sel.ist.osaka-u.ac.jp/pret/