研究概要 |
本研究は,顔側面からの生体電位信号に基づく実時間表情識別の基盤技術の確立,及び対人親和性の高い装着型表情推定装置の開発といった装置開発,画像計測では困難な状況・現場における表情計測を実証する実証実験,また情報環境への接続や対人コミュニケーションの解析実験といった応用展開に挑戦し,実環境における自然な表情表出の計測・記録・解析・提示を実現する.これにより,装着することにより実環境下で表情の取得及び実時間識別を可能とするまったく新しい技術の確立を目指す.これにより,表情表出に関する物理・生理・認知的特性の理解だけでなく,介護や医療の現場における応用と人々の生活の質の向上,また子供たち,青少年が笑顔により豊かな社会性を築く社会形成のために貢献する. 本年度は,以下の通り4つのサブテーマ課題を同時並行で実施した.(1)実時間表情認識技術:信号処理技術の改良による笑顔の強度,また怒顔,中立顔,緊張顔,弛緩表情といった複数表情の認識率の向上のための基礎実験,(2)表情推定装置の改良:小型乾式電極の利用と精度検証,及び精度を保ちかつ小型の乾式電極の開発による対人親和性の高い装着型表情推定装置の開発,(3)表情計測実証実験:療法評価への応用として、発達障害児の表情計測へ応用し,療法前後の表情変化計測による療法効果計測支援に取組んだ.また,体育科学との連携により,運動中・前後の表情計測実験を実施し,笑顔表出とタイミングといった定量的な評価尺度導入の検討を行っている.(4)装着型表情計測応用:ロボットの動作教示へ応用し,ネットワークを通じた情報環境との接続に関する研究を実施した.
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