研究課題
本研究の目的は,動画をあたかも目の前で起こっているかのような臨場感を伴う方式で視聴することにより,記録された過去の状況をよりよく把握できるシステムの構築である.本年度は特に現地空間での重畳を行うとともに,研究成果自体を社会的なアウトリーチ活動の一つとして展示につなげていく活動も合わせて行った.実際の現実空間で,風景の上に動画を重畳させるためには,動画の位置と現実空間の位置を合わせる必要がある.Apple社のiPadなどに代表されるモバイル型の端末をクライアントとして利用し,位置合わせの計算はサーバで行い,ネットワークで通信することにより現地空間で重畳を可能とする仕組みを構築した.モバイルデバイスの内蔵のモーションセンサを利用すると追従性およびピッチ・ロールの回転方向については問題がなかったもののヨーの回転に対してドリフトが発生するという問題があった.そのため,特徴点ベースの姿勢推定を導入し,Levenberg-Marquardt法とTukey Biweight推定法を組み合わせ,特徴点対応の誤差を最小化させることでドリフトを除去する方法を構築した.また,現実空間で過去の写真を現在の風景に重畳することができるシステムの開発にも応用し,過去の写真が重畳された景色を追従するように設計することなどを行った.これはアウトリーチ活動としては,東京の万世橋駅付近の画像を重ね合わせる試みなどに応用している.動的な3次元空間として,都市模型を動画で撮影し,航空写真とうまく接続することで,空中から都市を眺めつつ高度を変更しているように見せる仕組みに応用を行った.この映像を交通型ICカードを用いたインタラクションを行うメディアアート「Sharelog 3D」に応用し,東京駅の東京ステーションギャラリー,大阪のナレッジキャピタルでの展示につなげた.
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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情報処理学会論文誌
巻: Vol.53,No.4 ページ: 1307-1318
http://www.ejrcf.or.jp/gallery/pdf/121025.pdf
http://www.orix.co.jp/grp/pdf/news/130321_RealJ.pdf