研究課題/領域番号 |
23680017
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
槇原 靖 大阪大学, 産業科学研究所, 助教 (90403005)
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研究期間 (年度) |
2011-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 画像,文章,音声など認識 / コンピュータビジョン / パターン認識 / 生体認証 |
研究概要 |
P1) 歩容ゆらぎに頑健な歩容認証については,P1-2) 観測条件が変化する下での位相推定の研究に向けたP1-2-1) データ収集を行った.具体的には,位相と観測条件が同時に変化する歩容画像列として,観測方向変化を伴うデータと速度変化を伴うデータを収集した.観測方向変化を伴うデータは,これまでに蓄積している歩行機(現有設備)上での多視点映像から100名程度の3次元データを再構成した.これにより,今後,仮想的に任意視点映像を作成することが可能となった.また,比較的画角の広いカメラによって床面上の自然な歩行を撮影することで,観測方向変化を伴うデータを収集した.また,歩行速度変化を伴うデータについては,速度制御可能な歩行機上の歩行データを被験者27名分収集した. また,P2) 歩容ゆらぎの積極的利用による歩容認証の高精度化について,P2-1) 位相ゆらぎ特徴量の抽出を行った.まず,前年度開発した位相推定手法に基づいて,線形位相進行に対する時間伸縮関数を取得する.複数周期間において,時間伸縮関数の分散を計算し,それを時間ゆらぎ特徴として抽出した.また,複数周期間の頭頂点・足下点の軌跡の分散,及び,複数周期間での平均シルエット画像間の差(周期間での腕の振りの違いや姿勢の違いが観測される)を,空間ゆらぎ特徴として抽出した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
P1) 歩容ゆらぎに頑健な歩容認証については,P1-2) 観測条件が変化する下での位相推定の研究に向けて,位相と観測方向/速度が同時に変化する歩容画像列のデータ収集を完了している. また,P2) 歩容ゆらぎの積極的利用による歩容認証の高精度化については,位相ゆらぎ特徴・頭頂点と足下点軌跡のゆらぎ特徴・周期間のゆらぎ画像といった三種類の特徴抽出を完了した. これより,研究は当初の予定通り,順調に進展していると言える.
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今後の研究の推進方策 |
P1) 歩容ゆらぎに頑健な歩容認証 P1-2) 観測条件が変化する下での位相推定 P1-2-2) 観測条件変化の滑らかさを考慮した位相推定: 観測条件が変化すると自己動的時間伸縮における歩容画像列の対応誤りが生じる可能性がある.そこで,観測条件が滑らかに変化することを考慮して,観測条件の似通った隣接の周期間の対応に重みを置いた位相推定手法を考案する. P2) 歩容ゆらぎの積極的利用による歩容認証の高精度化 P2-2) 複数歩容特徴による歩容認証: 従来の周期単位の歩容特徴と本研究の位相ゆらぎに基づく特徴がそれぞれ抽出されることから,各特徴間の類似度(スコア)を計算し,マルチモーダル認証の分野で用いられている手法と同様にして統合することで,歩容認証の高精度化を目指す.
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