研究概要 |
本研究の目的は,身体動作を入力とする次世代マンマシンインタラクションを実現させるために,「"Quickness of Service"と"Quality of Service"を両立する動作の早期認識手法」を確立することである.そのために,1)環境固定センサによる三人称センシングを高性能化することで身体部位の動作特徴を詳細に獲得,2)ユーザ装着型センサによる一人称センシングでユーザ特有の仕草や癖である行動様式を獲得,3)行動様式と動作特徴の関係を学習,4)動作特徴から行動様式を推定して動作意図を早期に獲得する方法について研究を進めている.本年度は,以下の研究成果が得られた. 1.三人称センシングによる身体動作特徴の獲得とそれを利用した動作の早期認識の高性能化 環境固定センサとしてMicrosoft Kinect Sensorを利用してユーザの動作特徴を高精度に獲得する仕組みを確立した.そこで得られる身体特徴を利用して,動作の早期認識を行う手法を開発した.先行研究の手法では,早期認識に利用する特徴データベースが大きくなるにつれて,計算時間が増大し,オンライン利用時に,処理されない入力データが出現し,認識性能の低下に繋がっていた.これに対して,本研究で開発した手法では,データベースサイズに依存することなく早期認識を行う手法を開発し,その有効性を確認できた. 2.一人称センシングによる身体動作特徴の獲得方法の検討 加速度,角速度,地磁気センサが搭載された小型のワイヤレスモーションセンサを身体に装着して,ひとつのセンサから9次元(加速度,角速度,地磁気それぞれ3次元)の動き特徴をオンラインで獲得する方法について検討を行った.また,行動様式の獲得を助長するためにオンラインで獲得される動き特徴を可視化する方法を開発した.
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