研究課題
本研究の目的は,身体動作を入力とする次世代マンマシンインタラクションを実現させるために,「“Quickness of Service”と“Quality of Service”を両立する動作の早期認識手法」を確立することであり,本年度は,以下の研究成果が得られた.【特有姿勢情報を利用した動作の早期認識の適用範囲検討】Kinect Sensorやカメラセンサを利用して得られるユーザの姿勢情報から特有姿勢を発見して動作の早期認識を行う手法の適用範囲を検証するための詳細実験を行った.姿勢データベースの規模や動作クラスの数,動作クラス間の類似性など複数の観点から性能評価を実施し,本研究で確立する早期認識技術が精度良く機能する条件を実験を通して考察した.【モーションセンサによる身体動作特徴の獲得と早期認識方法の検討】昨年度に実施した小型のワイヤレスモーションセンサによる進退動作特徴獲得の検討結果を踏まえ,身体にセンサを装着した際に違和感を軽減する小型のワイヤレスモーションセンサを開発した.複数の身体部位に装着したモーションセンサから得られる動作特徴を利用して,先に開発した早期認識技術の適用実験を行い,本手法が一人称センシングにより獲得された特徴にも利用できることが確認できた.さらに三人称センシングにより得られる情報を利用するよりも高性能な認識ができることが確認できた.【三人称センシングと一人称センシングで得られる動作特徴間の関係解析】環境に設置したセンサから得られる身体動作特徴とユーザに装着したセンサから得られる身体動作特徴の関係を解析し,共起する特徴を発見する手法を検討した.CCAやLDAなどの関係解析手法により,動作を象徴する特徴的な身体部位で共起性が高く現れることが確認できた.
2: おおむね順調に進展している
今年度の目標は,一人称センシングによる行動様式獲得と早期認識ならびに三人称センシングと一人称センシングで得られる動作特徴間の関係学習であり,その成果が概ね得られている.研究成果に関連する対外発表も行っている.
三人称センシングと一人称センシングで得られる動作特徴間の関係学習の方式を確立する.その際に,一人称センシングで得られる情報の次元圧縮(冗長性の排除)が重要課題になることが本年度の実験と通して明らかになったため,その点を重点的に取り組む.
すべて 2013 2012
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (2件)
Journal of Artificial Life and Robotics
巻: Vol.17, No.3-4 ページ: 476-482
日本神経回路学会誌
巻: Vol.19, No.4 ページ: 167-174
IEEJ Transactions on Electrical and Electronic Engineering
巻: Vol.8 ページ: 69-77