自然対話には,同意の「ええ」,聞き返しの「え?」や驚きの「え!?」のように同じ音素列でも,言い方(発話スタイル)によって表現される意図が変わるものが多くみられる.しかし,発話スタイルの適切な音響的表現は確立されておらず,発話意図との関連も 一途ではないため,従来の対話システムは,音素列に相当する発話内容のみを認識するに留まっており,自然対話が円滑に成立しない場合が生じる.本提案では,発話スタイルとして従来の韻律特徴に加え,提案者独自の声質特徴の動的特徴を導入し,形態素や品詞の 言語情報も考慮することにより,音素列のみでは正しい意図が伝達出来ない発話の意図認識システムを実現することを目的としている. 平成24年度までは,感動詞がもたらす発話意図の分析において,これまで単音節の感動詞(「うん」,「えー」,「おー」,「はー」,「へー」,「やー」など)に焦点を当ててきたが、平成25年度には、「うんうん」や「うんうんうん」のように繰り返し発話される感動詞の音響的および機能的役割の分析を行い,音響学会で発表し,国際会議Speech Prosodyにも論文が採択された.また,句末音響と質問系発話の意図の関連においても,昨年度に続き分析を発展させ,対人関係における韻律の使い分けを証明した.この成果も国際会議Speech Prosodyで論文が採択され,雑誌論文にもまとめて投稿した.
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