研究課題/領域番号 |
23680025
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研究種目 |
若手研究(A)
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研究機関 | 茨城大学 |
研究代表者 |
後藤 玲子 茨城大学, 人文学部, 准教授 (10375355)
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キーワード | 電子行政 / クラウド・コンピューティング / オープン・ガバメント / 公共調達 / 費用対効果 / ウェブ2.0 / 共通番号 / 防災福祉 |
研究概要 |
本研究は、日本の公共IT投資についてマクロおよびミクロの両面から調査研究を行い、公共IT投資の費用対効果を実証的に分析評価することを目的としている。今年度は、公共IT投資の先端的動向を把握し、主要国間の国際比較を行うための基礎的資料を得るために、アメリカ、イギリス及びイタリアの事例研究を行うと共に、東日本大震災を経験した我が国において喫緊の課題となっているICTを利活用した防災福祉対策について、共通番号を活用した情報連携という観点から考察した。日米におけるオープン・ガバメントに関する事例研究では、ウェブ2.0の潮流が、従来の「計画・実行型」の仕組みから「参加・協働型」型の仕組みへと公共部門をも変えようとしていることを、事例研究に基づいて具体的に示した。イギリスにおける公共IT投資の可視化に関する事例研究では、クラウド・コンピューティングによる業務効率化施策について調査した。同国では、施策ごとの効果を積み上げることにより、公共IT支出削減目標を達成するための道筋をより明確に描く取組みが行われていることがわかった。イタリアに関する事例研究は、ICTを活用した公共調達改革に焦点を当てて行った。同国では、電子調達に関する国-地方横断的な技術的・制度的基盤を導入することで、同国のGDPの0.7~0.9%にものぼる公共IT支出削減効果をあげていることを明らかにした。ICTを利活用した防災福祉対策については、災害時における共通番号を活用した被災者・被災地の支援のあり方について検討した。個人情報保護対策及びセキュリティ対策をきちんと行った上で、共通番号に基づいて被災者データベースを構築し、国-地方間、自治体間、官-民間の情報連携を行うことで、より効果的・効果的に被災者・被災地支援を行うことが可能になることを示した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
出産に伴う産休・育休のため、年度途中で研究を中断せざるを得なかった。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は出産に伴う産休・育休のために年度途中で研究を中断せざるを得なかったが、来年度以降は当初の計画に則って研究を進める予定である。
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