研究課題
ソーシャルメディアの発信情報の偏りを補正するためには、ソーシャルメディアの発信者が「本来対象とする母集団」から偏って抽出されている“選択バイアス”が生じていると考え、統計学・計量経済学を中心に近年解析手法の盛んに研究されている選択バイアスモデリングの考え方を利用して、<研究目的に適した、選択バイアスモデリングによる補正法の開発>のうち、「母集団の意見・行動の分布に向けた補正法の開発」、具体的にはテキストマイニングによって得られた意見内容や財・サービスの購入利用などについて、その出現頻度を共変量、および内容によって説明するモデルを用いて補正を行う研究を行った。但し、既存の選択バイアスの解析法では共変量を多数取ることが必要であるが、書き込み情報から共変量に相当する変数を取得することは容易ではない。そこで、既存のHeckmanモデルを拡張し、回答自体が回答有無に影響を与えうるセミパラメトリックモデルを開発した。研究成果は現在投稿中である。また、同モデルを利用して、特定ターゲットの意見・行動分布に向けた補正法の開発を行った。また、次年度以降実施する<ソーシャルメディアでの発信情報(どのような意見を記載したか、どのような行動を行ったことを記述したか)及びネットワーク構造情報の取得>に向けて、「本研究目的に適した「テキストマイニングによる発信情報」の取得のアルゴリズム化」についての検討を行った。加えて、<研究目的に適した、選択バイアスモデリングによる補正法の開発>のうち、「ネットワーク構造の頻度分布の補正法の開発、具体的にはネットワーク構造の出現頻度を共変量、およびネットワークタイプ自体によって説明するモデルを用いて補正を行う手法の研究を行った。この成果については現在投稿準備中である。
2: おおむね順調に進展している
昨年度ソーシャルメディアから取得された情報と比較するための市場調査を実施する予定であったが、「震災後」のソーシャルメディアの利用時間や頻度が急に変化したことが様々な研究で示され、このような状況で市場調査を実施することは問題であることが指摘されたため、調査を今年度に延期して実施した。
昨年度行う予定であった調査を今年度実施したため、今後計画通りに研究を実施する。
すべて 2013 2011
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (4件) (うち招待講演 1件)
Topics in Analysis of Mixed Data (A.R. de Leon & K. C. C. Carriere,eds.)
巻: in press ページ: in press
マーケティングサイエンス
巻: 20 ページ: 43-67