研究課題/領域番号 |
23680026
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
星野 崇宏 名古屋大学, 経済学研究科(研究院), 准教授 (20390586)
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研究期間 (年度) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 選択バイアス / 傾向スコア / 統計的因果推論 / ベイズ推定 / テキストマイニング / 消費者生成メディア / ソーシャルメディア / 市場調査 |
研究概要 |
本研究の目的はソーシャルメディアの発信情報の偏りを補正する基礎的な方法論を、ソーシャルメディアの発信者が「本来対象とする母集団」から偏って抽出されている“選択バイアス”が生じていると考え、統計学・計量経済学を中心に近年解析手法の盛んに研究されている選択バイアスモデリングの考え方を利用して開発することである。 本年度はまず< 研究目的に適した、選択バイアスモデリングによる補正法の開発> のうち、「平成23 年度に構築した手法に対して実データとシミュレーションによる妥当性検証」を実施した。また、昨年度実施されるはずであったが「震災後」のソーシャルメディアの利用時間や頻度が急に変化したことが様々な研究で示され、このような状況で実施することは問題であることが指摘されたため延期された調査を本年度に実施し、また同時期のWebアクセスログパネル調査データを取得した。これらとネット上から同時期に取得された書き込み情報を紐づけることで、ソーシャルメディアの発信情報のバイアスの大きさの特定と補正方法についての研究を行った。その成果については現在学術誌に投稿準備中である。 また、研究課題である<ソーシャルメディアでの発信情報(どのような意見を記載したか、どのような行動を行ったことを記述したか)及びネットワーク構造情報の取得>に向けた「本研究目的に適した「テキストマイニングによる発信情報」の取得のアルゴリズム化」についての研究を実施した。 さらに、<大規模Web アクセスログパネル調査データ上での「ソーシャルメディア上の発信者」の同定>についての推定モデルを作成し、現在論文を作成中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
昨年度ソーシャルメディアから取得された情報と比較するための市場調査を実施する予定であったが、「震災後」のソーシャルメディアの利用時間や頻度が急に変化したことが様々な研究で示され、このような状況で市場調査を実施することは問題であることが指摘されたため、調査を今年度実施した。これにより初年度の遅れを取り戻し、当初計画通り実施されていると判断する。
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今後の研究の推進方策 |
開発された方法論が様々なテーマや目的においてロバストに利用可能であるかどうかを調べることが必要であるため、引き続きマーケティングや心理学、社会学などの具体的な研究関心に関連する実証研究を行う。
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