研究課題
本研究の目的はソーシャルメディアの発信情報の偏りを補正する基礎的な方法論を開発することであり、具体的にはソーシャルメディアの発信者が「本来対象とする母集団」から偏って抽出されている“選択バイアス”が生じていると考え、統計学・計量経済学を中心に近年解析手法の盛んに研究されている選択バイアスモデリングの考え方を利用した手法の開発を行うことである。本年度はまず<研究目的に適した、選択バイアスモデリングによる補正法の開発>のうち「平成24年度に構築した手法に対して実データとシミュレーションによる妥当性検証」を実施した。また<少ない共変量情報で精度よく補正を行うための共変量選択法の開発>を行った。具体的には共変量情報として、調整に利用するものすべてでなくその一部のみの情報から分かれば、それ以外の情報は欠測データとして解析することを可能にする手法を開発した。また<応用研究者や学術研究者以外の実務家が容易に応用可能な、選択バイアスモデリング手法と共変量選択法の近似的手法の開発>について、計算時間が少なくですむような指数型ラプラス近似の数値計算法を用いた手法の開発を行った。これまでの研究成果として、まず平成23年に開発した、既存のHeckmanモデルを拡張し、回答自体が回答有無に影響を与えうるセミパラメトリックモデルについては統計学のトップジャーナルであるJASAに掲載された。昨年度実施したソーシャルメディア関連の論文については論文を投稿し、また今年度実施したシミュレーション研究、および近似的な手法については現在論文を投稿準備中である。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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日本統計学会誌
巻: 43 ページ: 185-214
BioMed Research International
巻: Volume2014 ページ: ID 303917
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Journal of the American Statistical Association,
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