研究課題
本研究では、視覚や聴覚の情報処理の時間的特性をそれらの相互作用に注目し検証した。視知覚における形の情報処理と運動の情報処理の独立性とその相互作用を行動実験で検証した。形が運動で定義される刺激(運動からの形状復元刺激)を用い、同一の刺激dえ形を回答させる条件と運動を回答させる条件の閾値の違いを測定し、両者の処理が単一の機構に基づかないことを示す結果を得た。結果をふまえ、経頭蓋磁気刺激(TMS)を用いて形状知覚と運動知覚の独立性、相互作用、時間特性について検証した。具体的には運動知覚に関わるMT野をTMSによる刺激で運動の知覚を抑制し、運動知覚抑制のタイミングおよび運動知覚が抑制されるタイミングにおける形状知覚の特性を調べた。この研究結果は、現在、国際誌に投稿準備中である。視覚刺激の時間知覚の特性に加え、視覚と聴覚という異なるモダリティー間の処理の時間特性の相互作用を検証した。同一の視覚情報が知覚される 時間(タイミング)が、同時に提示される聴覚情報の有無やその特性によっていかに変容するか、脳内の情報処理において聴覚情報処理が負荷となる場合、その負荷が視覚情報処理の時間的特性に何らかの影響を及ぼすのか、また聴覚情報と視覚情報の提示のタイミングが物理的に同一でも両者の知覚にずれが生じる条件があるのかを検討した。研究結果を「フリッカ刺激の時間周波数成分が時間知覚延長に及ぼす効果」のタイトルで日本視覚学会冬季大会にて発表し、ベストプレゼンテーション賞を受賞した。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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