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脳は視覚と聴覚など複数の感覚信号を順序付けすることが出来る。単一イベントから同時に生じた感覚信号は脳内で統合すべき対象であることから、時間順序判断は多感覚情報の統合の重要な要素であるといえる。しかし、イベントから受容器までに生じる時間差（物理時間差）と、受容器から時間比較器までに生じる時間差（神経伝導時間差）という、感覚種間に生じる2種類の時間差が存在するため、時間順序判断にはこれらを補正する必要がある。本研究課題では、視聴覚の時間順序判断を用いた一連の実験によって、時定数の異なる適応メカニズムが脳内に存在し、物理時間差と神経伝導時間差を補正していることを明らかにした。
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