本研究は、進化過程における微生物の表現型・遺伝子型の変化を高精度に解析することにより、適応進化のダイナミクスを担うメカニズムの根源に迫ることを目的としている。まず系統的な進化実験を行うために、ラボオートメーションを用いた自動培養システムの構築を行い、数百系列の培養を対数増殖期を保つように植え継ぐことに成功した。そのシステムを用いて、様々なストレス添加条件下での進化実験を行い、その過程における遺伝子発現量の変化とゲノムへの変異固定を網羅的に定量した。これらのデータを統合することにより、一部の適応的な表現型の変化はゲノムの変異によって説明できないことが示唆された。
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