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2011 年度 実績報告書

哺乳細胞内で動作する人工遺伝子回路によるエピジェネティック・ランドスケープの構築

研究課題

研究課題/領域番号 23680031
研究種目

若手研究(A)

研究機関東京工業大学

研究代表者

木賀 大介  東京工業大学, 総合理工学研究科(研究院), 准教授 (30376587)

キーワード人工遺伝子回路 / 合成生物学 / エピジェネティック・ランドスケープ / 数理モデル / 分化
研究概要

本研究では、細胞間シグナル分子の効果を概念的に示しているWaddingtonの地形を規定できるように遺伝子を組み合わせた人工ネットワークを、培養細胞中に導入する。その結果、培養細胞が自律的にシグナル分子を生産しながら、この地形に沿って状態変化する系が構築される。このシステムは、相互抑制を行う2つの遺伝子と拡散性のシグナル分子の生産・受容遺伝子を組み合わせることで構築される。相互抑制回路を構成する2つの転写抑制タンパク質としては、Streptomyces のPipとE. coliエリスロマイシン・リプレッサーそれぞれに、真核生物の転写サイレンサーであるKRABドメインを融合させたものを用いる。それぞれの抑制タンパク質が特異的に結合する配列は、SV40プロモーター直下に配置する。本研究では、KRABに依存した抑制と、拡散性のシグナルに依存した活性化とを統合した転写制御が鍵となるが、この統合に問題は無い。それは、KRABがDNAに結合する位置が転写開始点の1.8 kb上流でも下流でも、サイレンシングが起きることが報告されているためである。
本年度は、本研究に関わる数理モデルを精査し、論文を公表した。とくに、多様化が、タンパク質配列の差異だけでなく、同一の遺伝子ネットワークを保持していても、細胞数の差異によっても影響を受けることを確認した。よるまた、最終的には本研究で用いる人工遺伝子回路を染色体上に組み込んだ安定発現株を使用するが、本年度は一過的発現の実験を行った。その結果、2つのタンパクが相互に抑制関係にあることを確認した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

数理モデルの改善や相互抑制の基礎実験など順調に進展しており、これらを確実な手法とすることで全システムの開発が可能になると考えられる。ただし、細胞間シグナルについての研究が成功していないため、システムの改良が必要である。

今後の研究の推進方策

実験結果と数理モデルとの差異を反映して次の実験を行うために必要な人工染色体技術の本格的な適用を行う。細胞間シグナルの選定をさらに進める。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] Tunable synthetic phenotypic diversification on Waddington's landscape through autonomous signaling2011

    • 著者名/発表者名
      Ryoji Sekine
    • 雑誌名

      Proc Natl Acad Sci U S A

      巻: 108(44) ページ: 17969-73

    • DOI

      10.1073/pnas.1105901108

    • 査読あり
  • [学会発表] Synthetic Biology2012

    • 著者名/発表者名
      Daisuke Kiga
    • 学会等名
      Japanse-French Frontier Science Symposium (日仏先端科学シンポジウム)
    • 発表場所
      Nice, France
    • 年月日
      20120121-20120121
    • 招待講演
  • [学会発表] Waddingtonの地形の概念を人工遺伝子回路でデザインする2011

    • 著者名/発表者名
      木賀大介
    • 学会等名
      第84回日本生化学会 シンポジウム「ゲノムデザインの最前線」内
    • 発表場所
      京都国際会館, Kyoto, Japan
    • 年月日
      20110922-20110922
  • [学会発表] Tunable synthetic phenotypic diversification on Waddington’s landscape through autonomous signaling2011

    • 著者名/発表者名
      木賀大介
    • 学会等名
      第49回日本生物物理学会年会 シンポジウム「生命システムの情報処理」内
    • 発表場所
      Hyogo, Japan
    • 年月日
      20110917-20110917

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公開日: 2014-07-24  

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