研究課題
これまでにnetrinを始めとするいくつかの軸索ガイダンス分子が発見され、軸索誘導の基盤となる分子機構は、明らかにされてきたが、既知分子の働きだけでは複雑な脳神経回路の形成機構を理解する事はできない。本研究では、我々が発見した反撥性ガイダンス分子draxinに着目した脳神経回路形成機構の解明を目的とする。特に、領域特異的なコンディショナルノックアウトマウスやトランスジェニックマウスを中心とする解析から、視床皮質軸索投射におけるdraxinの役割解明を目指した。pCAGGSプロモーター下にloxpを両端に持つβ-geoとさらに下流にdraxin-IRES-eGFPを持つトランスジェニックマウス(TG-draxin+/+)を作成した。draxin-/-との交配により得られるTG-draxin-/-マウスとEmx1-Creマウスを交配させ、draxinノックアウトマウスにおいて大脳新皮質特異的にdraxinの発現を誘導し、視床皮質軸索の投射異常が回復されるかを調べた。その結果、多くの視床皮質軸索が大脳新皮質に向かって投射する事が分かった。この結果から、サブプレートを含む大脳新皮質に発現するdraxinの重要性が示唆された。さらに、コンディショナルノックアウトマウスの作成を進めている。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Dev. Biol.
巻: 374 ページ: 58-70
10.1016/j.ydbio.2012.11.029.